2013年1月7日(月)
やっぱり「デフレ」の原因は家計消費の減少
統計からも明らかに
消費者物価指数が2009年から3年連続で前年比マイナスとなる一方で、家計消費支出(名目値)も08年から4年連続で前年比マイナスとなっています。持続的に物価が下落する「デフレ」の原因が家計消費支出の減少にあることがわかります。
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賃金上げる政策こそ必要
1985年以来の家計消費支出と消費者物価指数の推移を比較しました。98年から6年連続で家計消費支出が前年比マイナスとなるのに対応して、消費者物価指数も99年から5年連続で前年比マイナスとなっています。01年3月には、政府が日本経済が「緩やかなデフレ」に落ち込んでいると宣言しています。
安倍晋三政権は「デフレ脱却」として日本銀行に圧力をかけ、「2%の物価上昇率目標」を設定させる「大胆な金融緩和」を掲げています。
家計消費支出が減少した翌年に、消費者物価指数がマイナスに転じていることから明らかなように、「デフレ」最大の要因は家計消費支出が減少していることです。企業が目先の利益のために労働者の賃金を減らすと、労働者の物を買う力が弱くなり、家計消費支出は減少します。値段を下げてでも売ろうと労働者の賃金をさらに下げると、物はいっそう売れなくなります。
賃金下落に加え、税と社会保険料の負担が増大しているために可処分所得が減少したことも家計消費支出の減少に拍車をかけます。しかし安倍政権の「デフレ対策」はお金をどんどん供給して物価を上げようという考えで、大企業を支援する政策はあっても、賃金を引き上げる政策はありません。
いま必要なのは労働者の賃金をあげる政策です。そうした政策をとらずに日銀にばかり金融緩和の圧力をかけるのは政府の責任放棄です。