2012年12月30日(日)
大飯再調査
“活断層、否定できない”
終了後 規制委専門家多数が指摘
原発敷地内の破砕帯(岩盤の亀裂)が活断層ではないかと指摘されている関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)の2度目の調査をしている原子力規制委員会の専門家チームは29日、前日に引き続いて、地層のずれが見られるトレンチ(溝)の掘削現場などを調査しました。2日間の調査を終えたメンバーの多くは、活断層の可能性は否定できないとの考えを示しました。
渡辺満久東洋大学教授は「海域の大きな断層が動いた時にお付き合いで(敷地内の地層のずれが)動く可能性がある」と説明。重松紀生産業技術総合研究所主任研究員と、広内大助信州大学准教授はそれぞれ、「活断層であることを否定しきっていない」、「活断層の可能性は残っている」と発言しました。
岡田篤正立命館大学教授が「これまで見てきた活断層とは違う」と述べたのに対し、規制委の島崎邦彦委員長代理は「活断層の大きさはいろいろある。端っこの断層であり、(ここで見えているものは)岡田さんが見てきたものと違う」と指摘しました。
問題の破砕帯は、重要施設の下を通っているとされる「F―6破砕帯」です。11月の1度目の調査の後、関電が規制委の指示で行った、F―6破砕帯が走っているとされる原発敷地北側のトレンチの拡幅部分などで新たな地層のずれが発見されています。2度目の調査は、拡幅されたトレンチを中心に行われました。
関電は、以前に見つかっている地層のずれも含め、「地滑り」によるものだと主張しています。しかし、2度の調査を経て専門家チームのメンバーの多くが関電の地滑り説に疑問を呈しています。
また、島崎委員長代理は、F―6破砕帯の南側の延長部に当たる場所で、最大300メートル規模のトレンチを掘削するよう、あらためて関電に求めました。
調査チームは、今回の調査結果を検討する評価会合を来年1月に開く予定で、結果次第で、現在、国内唯一稼働している大飯原発も停止する可能性があります。