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2012年12月29日(土)

きょうの潮流

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 安倍晋三首相が主張するように日本銀行がどんどん国債を引き受け、お札を刷り続けた時代がありました。戦争中のことです▼戦費調達のため、国は無制限に国債を発行し、日銀が引き受けました。どうなったでしょうか。『日本銀行百年史』を開いてみました。日銀が引き受けた長期国債は日中全面戦争が始まった1937年から終戦前年の44年には69倍に激増しました▼その結果、日銀が発行した現金は42年末から45年末までに8倍に膨張。戦後、お金の価値が下がり、猛烈なインフレーションが襲います。46年の消費者物価は前年の4倍になりました。国債大量発行のつけを払わされたのは国民でした▼インフレになれば賃金が上がると解説する人がいます。おかしくないでしょうか。賃金の上げ下げを決めるのは労働者と経営者の力関係です。現に経団連は来年の春闘に向け「定期昇給も聖域にしない」と賃下げの方針です▼金融緩和で物価や株価は上がるかもしれませんが、株が上がってもうかるのは投機筋です。給料は上がらないのに物価が上がれば困るのは国民です。消費は冷え込み、物価上昇の中で不況はますます進みます▼旧日銀法は1942年に制定された戦時法でした。日銀の役割として「もっぱら国家目的の達成を使命」とすると明記され、侵略戦争に奉仕させられました。安倍首相は「デフレ脱却」で消費税増税の実施を狙います。国が中央銀行を勝手な目的で使って被害を受けるのは誰か。歴史から学ぶべきでしょう。


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