2012年12月28日(金)
イギリス 自然エネ発電 拡大
20年までに雇用30万人増
投資継続がコスト引き下げ
英国のエネルギー・気候変動省は27日、太陽光や風力などを利用した再生可能エネルギー発電量が、昨年7月からの1年間で27%増えたとする調査結果を発表し、同エネルギーの拡大に伴う経済活性化と雇用増の見通しを示しました。 (島崎桂)
地球規模で進む気候変動への対応として、英国は2020年までに総発電量に占める再生可能エネルギーの割合を30%まで引き上げる目標を掲げています。同国では調査期間内に、海上風力発電量が1・6倍、太陽光発電量が5倍となり、総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は10%を超えました。
デービー英エネルギー・気候変動相は声明で「現在、10%以上の電力が再生可能エネルギーから生まれていることは素晴らしい達成だ」と強調。ヘイ・エネルギー閣外相は「エネルギーの安全を保障するためには、多様なエネルギーを混合することが最善の道だと確信している」と述べました。
再生可能エネルギーの大幅な拡大は、政府からの助成金を利用した民間投資の後押しによるものです。同省は、昨年4月から今年7月の再生可能エネルギー産業への投資が、約127億ポンド(約1兆8000億円)にのぼったと指摘。同産業への投資の継続がエネルギーコストを引き下げ、20年までに約30万人分の雇用を生むと見込んでいます。
再生可能エネルギー業界団体「リニューアブルUK」のスミス理事長代行はロイター通信に対し「エネルギーコストは着実に低下している。再生可能エネルギーはわれわれにとってより良い価格で提供されるだろう」として調査結果を歓迎。合わせて、コスト低下が電力価格の安定につながると述べました。