2012年12月28日(金)
株高の仕掛け人は海外投機筋
「アベノミクス」の虚構
株価が日経平均で1万円を超えましたが、押し上げているのは海外の投機筋です。安倍晋三自民党総裁が主張する「大胆な金融緩和」は、国民に何の利益ももたらしていません。
東京証券取引所が毎週まとめている「投資部門別株式売買状況」を見ると、11月第2週以降、海外投資家だけが株を大きく買い越し、買った株が売った株を上回っています。国内の法人、個人が売り越した分を海外投資家が埋めている状況です。
安倍氏は「政策を発表しただけで株は上がり、円が下がった」と自画自賛しましたが、もうけたのはもっぱら海外の投機筋だけ、決して景気がよくなって株価が上がっているわけではありません。まして、雇用や生産など実体経済は何もよくなっていません。市場関係者はこの間、株価を押し上げたのが海外のヘッジファンドだとみています。
国内経済には今後、景気をよくするどころか、雇用や中小企業に悪影響を与える材料が目白押しです。2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法は13年3月末で終了します。銀行に返済条件の見直しなどを促し、リーマン・ショック後、中小企業の倒産抑制に役立ってきた法律です。電機産業をはじめとするリストラは、今後いっそう激しさを増すとみられます。
「アベノミクス」で押し上げた株価は虚構でしかありません。今求められるのは賃上げや中小企業への支援です。(山田俊英)
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