2012年12月26日(水)
都市と農村 格差9.3倍
中国社会科学院が発表
【北京=小寺松雄】中国社会科学院は、このほど発表した「社会青書」で、同国の都市部と農村部の収入格差が全体として縮まっているものの、最大で約9・3倍に達していることを明らかにしました。
青書によると、2011年の中国全体の都市部住民の1人当たり収入(可処分所得)は2万1800元(約29万4300円)で、農村部住民1人当たり純収入の3・12倍でした。09年の3・33倍、10年の3・22倍に比べて縮小しました。
ただ31の行政区(4直轄市、22省、5自治区)の都市部、農村部の数値では、より大きな格差がみられます。都市部、農村部の収入はいずれも上海市がトップで、甘粛省が最下位でした。上海都市部住民1人当たりの収入は3万6230元(約49万円)であるのに対し、甘粛省農村部の1人当たり純収入は3909元で、格差は約9・3倍です。
行政区の住民収入の一つの基準となる域内総生産でみると、1人当たりの最高は天津市で、最低の貴州省の5・4倍でした。
行政区内の都市部、農村部の収入格差でみると、貴州省が最高で3・98倍でした。貴州が内陸の農村省でありながら、鉱物や電機関係の大企業が増えて都市部住民の収入も増えているためとみられます。