2012年12月25日(火)
物価目標ではなく賃金の引き上げが必要
BS番組 穀田国対委員長が主張
日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は24日、BS朝日「ごごいち! ニュースキャッチ」に出演し、デフレ脱却の道筋について各党出席者と議論、自民党の安倍晋三総裁が唱えている金融緩和をめぐって「物価目標2%」ではなく賃金を2%上げること、その目標をもつことが必要だと主張しました。
このなかで穀田氏は、「賃金を2%上げようと思えば、大企業だけで8千億円、全企業でも3兆円だ。(大企業の)内部留保260兆円のうち、たった3兆円でできる」と強調しました。さらに、景気対策の第一は「消費税増税ストップすること。それを明確に打ち出すことは、将来不安をなくすことにつながる。賃上げ(するため)に手を打ち、電機・情報産業などの大リストラをやめさせることが必要だ」と語りました。
各党が「大胆な金融緩和」「必要なインフラ整備」「規制緩和」を唱えるなかで、民主党の大塚耕平参院議員は「デフレは20年続いている。金融緩和し、財政支出もしたが、賃金も物価も下がり続けている。穀田さんが言うように“先に賃金を2%上げたらどうだ”というのは、チャレンジの価値がある」と語りました。
穀田氏は1997年以降、金融緩和を行い、公共事業も大盤ぶるまいしてきたが、デフレは克服できなかったことを強調し、「また同じことをやってもダメだ」と改めて指摘しました。自公がすすめようとしている従来型の高速道路や港湾建設中心の「国土強靭(きょうじん)化」を厳しく批判し、公共事業の中身を新規、大型から老朽化対策、維持・補修に転換すべきだとの考えを示しました。
番組ではまた、自民党の安倍総裁が原発新設の可能性に言及していることも話題となり、自民党の佐藤ゆかり参院議員は「老朽化した原発を、(電源構成の)ベストミックスを確立するまで続けていいのか。新設をどうするかの議論は避けて通れない」と発言しました。
穀田氏は「自民党は『ベストミックス』というが、『再稼働しない』『新設しない』とはっきりいっていない。『二度と原発事故を起こしてはならない』という(原発事故の)教訓を踏まえて、ゼロに向かってただちに政治決断するのがのぞましい」と指摘しました。