2012年12月23日(日)
発電0(ゼロ)で電力料1400億円!?
日本原電 電力各社から
結局、電気料金に跳ね返り
原子炉直下に活断層が見つかり、廃炉不可避と指摘される敦賀原発(福井県敦賀市)など、原発が動いておらず、発電量がゼロなのに、日本原子力発電に電力各社が「電力購入費」として年間1400億円も払っていたことが分かりました。電力会社は電気料金の原価にこの「購入費」を算入しており、結局、国民の負担増となっています。
敦賀は廃炉が“不可避”なのに
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日本原電は、東京電力、関西電力など電力9社が出資・設立した企業で、原発の運転を行うことによって発電した電力を電力会社に販売する卸電気事業者です。
茨城県東海村の東海第2原発、敦賀原発(1、2号機)とも停止中にもかかわらず、日本原電の有価証券報告書によると、東電464億7400万円、関電340億7900万円など、5電力会社に計約1443億円(2011年度)の“販売実績”があります。(図参照)
これは、結局、消費者、国民が負担していることになります。
実際、12日の経済産業省の電気料金審査専門委員会で、家庭向け電気料金を平均11・88%値上げしたいと申請した関電が、日本原電から電力を買う費用として年間300億円程度を電気料金の計算の基礎となる「原価」に含めていることが明らかになりました。
これは、発電量にかかわりなく、原発の維持管理費用を「基本料金」として日本原電に支払う契約になっているためです。しかし、再稼働の見込みがなく、廃炉の可能性が強まっているにもかかわらず、電気料金に上乗せすることの是非が問われています。
役員は高額報酬 東電前会長も
一方、日本原電の役員は、濱田康男社長が元関電副社長など、14人の常勤役員中、4人が電力会社の天下り。6月に東電を辞任した勝俣恒久前会長(72)はじめ、電源開発社長、東北、北陸、中部の各電力会社の会長、関電社長が非常勤取締役に就任しています。
有価証券報告書によると、取締役20人の年間報酬は総額4億7900万円。非常勤役員6人の報酬は1000万円以下とされ、常勤役員14人の平均は3000万円超になるというべらぼうぶり。
この高額役員報酬の原資も国民が払う電気料金です。文字通り、「原発利益共同体」の癒着の構造にメスを入れる必要があります。
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