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2012年12月23日(日)

モンティ首相辞任

緊縮政策に国民の反発

2月末にも総選挙

イタリア

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 ローマからの報道によると、イタリアのモンティ首相は21日、ナポリターノ大統領に辞表を提出しました。大統領は近く議会を解散します。総選挙の日程は2月末が有力視されています。

 首相の辞任は政権支持基盤の一つであったベルルスコーニ前首相が率いる自由国民が突然支持を撤回したため。2013年度予算成立を待って辞任すると表明していました。しかし、背景には、モンティ政権が債務危機回避を理由に労働法の改悪をはじめ厳しい緊縮政策を推し進めたことへの国民、労働者の強い反発があります。

 経済学者出身のモンティ氏は昨年11月、欧州の債務危機がイタリアに波及する中、ベルルスコーニ前首相の後を継いで首相に就任しました。辞表提出にあたり1年1カ月の任期を振り返って、信用不安を鎮めることに成功したと自賛し、「困難だったが、魅力的だった」と語りました。

 モンティ政権の経済財政路線は欧州単一通貨ユーロ圏では好評を得ているものの、国内では強い反発を買っています。13年度予算成立にあたり、国内最大労組である労働総同盟(CGIL)は「失業や不安定雇用の増大という最大の緊急問題に対処する新しい経済政策が必要」だとの声明を発表しました。

 イタリアの経済は緊縮政策によって今年の成長率はマイナス2・4%と見込まれ、若年層の失業率も発表のたびに記録を更新し36・5%に達しています。

 各党はすでに選挙戦に向けて動き始めており、緊縮路線の継続か否かが最大の争点となります。

 世論調査で比較的優位に立っているのは中道左派の民主党で、モンティ政権の緊縮政策の継続を主張。右派の自由国民では、ベルルスコーニ氏が復活をかけて、緊縮路線を批判し劣勢の挽回を試みていますが、セックススキャンダルや数々の贈収賄疑惑に巻き込まれた同氏の出馬は党内外で批判を呼んでいます。(浅田信幸)


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