2012年12月21日(金)
イスラエル 新たに入植地計画
パレスチナ要所を完全分断
【カイロ=小泉大介】イスラエルが「首都」とするエルサレム市の当局は19日、同国が占領する東エルサレムに新たな入植地(約2600戸)を建設する計画を承認しました。2日前には同国政府が同地の既存入植地における住宅増設計画(約1500戸)を承認したばかりです。
今回、承認されたのは、東エルサレム南部のギバトハマトス地区での入植地建設計画。同地の両隣にはすでにギロ、ハルホマという大規模入植地があります。新規建設が実施されれば、それらの入植地が“壁”となって、パレスチナが将来の独立国家の首都と位置づけている東エルサレムは同じく占領地であるヨルダン川西岸の南部と完全に切り離されてしまいます。
イスラエルの平和団体ピースナウは同計画について、「『2国家共存』の解決策にとって最も危険な計画の一つ」だと指摘しました。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は19日、安全保障理事会での発言で「危険な道を歩むことを自制すべきだ」とイスラエルに強く要求。同国のネタニヤフ首相は同日、外務省幹部との会合で「エルサレムは3000年にわたりユダヤ人にとっての首都だ」「自らの首都で住宅建設を制限することは理解できない」などと言明し、国際社会の要求に背を向ける姿勢を示しました。