2012年12月20日(木)
韓国大統領選投票日 元「慰安婦」ら集会
“次期政権で補償実現を”
学生も駆けつける
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【ソウル=面川誠】韓国大統領選挙投票日の19日、ソウルの日本大使館前で旧日本軍の元「慰安婦」被害者と支援者が「次期政権でこそ日本政府による謝罪と補償を」と訴える集会を開きました。
1992年から毎週水曜日に行われている集会は今回で1053回目。大統領選で休日ということもあり、小中高校生、大学生ら約300人が支援に駆け付けました。
韓国南東・慶尚南道出身の金福童(キム・ポクトン)さん(86)は、東南アジア各地の日本軍駐屯地を連れ回されたといいます。「さっき大統領選の一票を投じてきた。次の大統領はしっかり日本に謝罪と補償をさせると期待している。もう来年は、こんな集会をやらなくてもいい年にしてほしい」と支援者に訴えました。
数万人規模といわれる元「慰安婦」のうち、実名で名乗り出て韓国政府に被害を申告したのは234人。申告後に亡くなる人が相次ぎ、生存者はわずか59人です。
日本政府は1997年から民間の「アジア女性基金」を通じた「償い金」の支給を始めましたが、公式補償を回避する姿勢は韓国の被害者から反発を招き、ほとんどの「元被害者」が受け取りを拒否。韓国憲法裁判所は昨年8月、元「慰安婦」の賠償請求権について韓国政府が日本政府と交渉していないのは憲法違反だとの決定を出しました。
19日の集会に駆け付けた若者は、ほとんどが初めての集会参加。ソウルの淑明女子大学の学生は「高校までの近現代史の授業は受験用ばかりで、『慰安婦』が何だったのか実感がわかなかった。いまは問題解決を訴えるバッジを大学で販売して活動を支援している。これ以上おばあさんが亡くなる前に日本政府が補償を実現してほしい」と語りました。