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2012年12月17日(月)

きょうの潮流

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 復元された東京駅の赤れんが駅舎はすっかり新しい観光名所になっています。カメラやスケッチブックを手に訪れた人たちが、きれいになった外観を描き、ドームを内側から見上げて撮影しています▼東京駅の赤れんが駅舎の開業は98年前(1914年)の12月20日です。日露戦争に勝った高揚感から、当時の鉄道院総裁・後藤新平が2階建てを3階建てに計画変更させたというエピソードも伝わります▼設計者は建築界の重鎮と言われた辰野金吾。左右対称の正面を持ち、中央と両端部を手前(皇居側)に張り出して、屋根にはドームを設ける手法は、後に「辰野式」と呼ばれました▼ところでこの「辰野式」は、旧台湾総督府庁舎、旧朝鮮総督府庁舎、中国の瀋陽南駅(満鉄の旧奉天駅)にも似たところが見られます。前二者は設計者が同じ日本人です。後者は壁面が赤れんがを基調として東京駅そっくりです。このあたりのことは西澤泰彦氏の著書『日本の植民地建築』(河出書房新社)に詳しい▼西澤氏は序章でなぜ植民地建築を語るのかについて書いています。他国を植民地にした国の人は「被害を与えたこと自体を認めない、という誤りを犯す。これは、他国への侵略と支配を再びおこす危険性をはらんでいる」▼「侵略と支配の非道を訴えていくことは、将来にわたる平和を確保するために必要不可欠」であり、「建築はもっとも雄弁に時代を語る存在」なのだと。侵略戦争に無反省で憲法9条改悪をたくらむ勢力に聞かせたい言葉です。


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