2012年12月14日(金)
05年、09年 総選挙でひどい目に…“仏の顔も三度”だ
「本物の改革の党」 見極めてください
「正直、迷っています。民主党はありえないけど…。自民党は正直、不安です」(東京・亀戸駅・30代男性)―。日本共産党の選挙カーのスタッフが聞いた有権者の本音です。国民が投票先を真剣に悩み、最後まで模索している――いま総選挙に“異変”が起こっています。世論調査でも投票先を未定とした人がいまだに4割超。共同通信の調査では、投票先を未定としたのは小選挙区で43.3%、比例代表で40.4%にのぼります。「未決定者は投開票日が近づくと大幅に減る傾向にあるが、今回は有権者が投票先を絞り込めないでいることがうかがえる」(「東京」13日付)としています。
有権者がこれだけ悩むのはなぜか。過去2回の総選挙でさんざんな目にあった政治的体験があるからです。
「構造改革」で貧困層が増大
2005年総選挙では、小泉純一郎首相(当時)が「郵政民営化すればすべてよくなる」などとシングルイシューで解散・総選挙に打って出ました。その結果、自民党は297議席を獲得。「小泉チルドレン」と呼ばれる議員が多数生まれ、公明党とあわせた議席は衆院の3分の2を超えました。
しかし、自公政権がその多数で推進した「構造改革」で、「働く貧困層」が増大。原発増設は続き、社会保障費は毎年2200億円削減され、「医療崩壊」と呼ばれる事態になるなど、国民の安心・安全はないがしろにされました。自衛隊の海外派兵が相次ぎ、教育基本法の改悪、改憲手続き法の強行など憲法をないがしろにする政治も横行しました。
政治変えたい願いを裏切る
その自公政権に退場をつきつけた2009年の総選挙。「国民の生活が第一」を掲げた民主党が「政治を変えてほしい」という国民の願いを託され、308議席の圧倒的勝利を果たし、“小沢ガールズ”と呼ばれる議員がうまれました。
しかし、その民主党政権は、米国の圧力に屈し、米軍新基地を受け入れた鳩山政権、財界のいうがままに公約違反の消費税増税を掲げた菅政権をへて、消費税増税と社会保障の改悪、大飯原発再稼働の強行、さらには環太平洋連携協定(TPP)推進を掲げる野田政権で、自民党とうり二つとなりました。
そして、12年総選挙。国民は「仏の顔も三度」(慈悲深い仏でも3度顔をなでられれば腹を立てる)と怒りを秘めながら悩んでいる―各地の対話からはそんな有権者の様子が見えてきます。
横浜市のある民間企業職場支部の対話で「前回は民主党に入れたが失敗した」との声が多数。「今度の選挙は古い自民党型の政治か、共産党かを選ぶ選挙。ぜひのばしてください」と訴え、「じゃあ比例は入れましょう」などの反応も返ってきます。
「この国の将来を考えたら、今度の選挙は絶対に失敗したらあかん」。滋賀県の日本共産党にこんな電話をかけてきた人は、「前回は民主党に投票したが、何もかわらず、裏切られた」といいます。日本共産党が安心して託せる政党だと訴えると、「わかった。今度は、真剣に考えてみたい」と応じてくれました。
二つのゆがみ大本から正す
民主党政権はなぜ失敗したのか―。「アメリカいいなり」「財界中心」という日本政治の「二つのゆがみ」をただす意思も立場もなかったからです。それを大本からただし「国民が主人公」の新しい政治に切り替えようと提案しているのが日本共産党です。真剣に模索する有権者に「みなさんの選択に足る『本物の政党』を選んでいただきたい」という訴えが届いたところで、大きな変化が起きています。