2012年12月12日(水)
中国・遺棄毒ガス敦化事件
謝罪もしない日本政府に怒り
東京高裁 控訴審初公判で原告陳述
中国吉林省敦化市蓮花泡で、旧日本軍が遺棄した毒ガス砲弾によって2004年7月に負傷した周桐さん=当時(12)=と、劉浩さん=同(8)=が日本政府に賠償を求める控訴審の初公判が11日、東京高裁(園尾隆司裁判長)でありました。原告の周桐さん(20)が来日し、意見陳述しました。
同訴訟は4月17日、東京地裁で、被害は「事実である」と認められたものの、政府に事故を防ぐ責任はないとして、原告の訴えを棄却する不当判決が言い渡されました。
毒ガスを浴びたことにより、いわれのない差別やいじめにあい、中学校を退学せざるを得なかったという周さん。毒ガスの液体が直接ついた箇所に発がんの可能性があると聞き、恐怖を抱いているとのべ、「東京地裁の判断も許せませんが、もう一つ許せないのは、日本政府が私たちの人生を一変させた被害について見向きもせず、謝罪もしないことです」と訴えました。
弁護団の平松真二郎弁護士は報告集会で「敗戦間際、旧日本軍が組織的に毒ガスを遺棄した責任や、除去の責任を争点にしたい」と話しました。