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2012年12月11日(火)

自民が選挙で口つぐむ過激な改憲案

前文を全面削除・国防軍…

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 自民党は総選挙公約で「憲法改正」をかかげて、総選挙に臨んでいます。ところが安倍晋三総裁を筆頭に自民党は選挙戦で改憲には口をつぐんでいます。自民党が触れようとしないのは、改憲内容のあまりの過激さに有権者の強い反発を招くのは避けられないためです。

 自民党と同じ方向で改憲を考える日本維新の会やみんなの党も語ろうとしません。

 自民党は今年4月に憲法改正草案を発表しました。現在の日本国憲法を自民党はどう「改正」しようとしているかは、主な点は表(別表)のとおりです。

  • 国際主義、平和主義、基本的人権、地方自治など第二次世界大戦の反省の上にたち戦後民主主義の原点をうたう現憲法の前文は全面削除
  • 戦争放棄の第九条を骨抜きにする、自衛隊を国防軍と衣替えして海外展開できる軍隊へ変身させる
  • 国民の権利に制限を加え、基本的人権の理念をうたう97条は全文削除衣替えする

 これらは現在の憲法の基本部分を根こそぎ引っ繰り返す改正内容です。それは、「全面改悪」というのがふさわしい改憲方向です。

 たとえば97条については、11条の「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在および将来の国民に与えられる」とあいまって、基本的人権を侵すような憲法改正は禁止する規定と理解されている(注解法律学全集「憲法IV」・樋口陽一ら)条項です。

 自民党改憲案は、同条項を丸ごと削除しています。自民党改憲案は、国民の権利、義務については、「公益及び公の秩序に反しない」という前提をつける国家主義を貫いています。

 自民党の総選挙キャッチフレーズは「日本を、取り戻す」。自民党改憲案から浮かび上がるのは「国防色の戦前の日本を、取り戻す」といっているに等しい方向です。

日本国憲法 自民党改憲草案
前文 全文削除

第一章(天皇) 国民の象徴
なし
なし
第二章(戦争の放棄)
第九条 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する
(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

同 日本国の元首
第三条(国旗及び国歌)
国旗、国歌を尊重しなければならない
 削除(安全保障)と書き換え

「永久に」を削除  

(2)前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない

なし (国防軍)
第九条の二
 内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
3 国際的に協調して行われる活動…を行うことができる
5 国防軍に審判所を置く

第三章(国民の権利及び義務)

なし

(国民の責務)
第十二条 自由及び権利には責任及び義務が伴う  公益及び公の秩序に反してはならない
第九十六条(改正)この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し 第百条  衆議院又は参議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの総議員過半数の賛成で国会が議決し、
第九十七条(基本的人権の本質)
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである
全文削除

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