2012年12月9日(日)
“独裁者は退陣を”10万人デモ
エジプト大統領 国民投票の延期を示唆
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【カイロ=小泉大介】エジプトのモルシ大統領がテレビ演説(6日)で「権力集中宣言」と憲法国民投票の撤回を拒否したことを受け、約10万の人々が7日、首都カイロ郊外の大統領宮殿に集結し厳しい抗議の声を上げました。大統領府は同日夜の声明で、憲法国民投票(15日実施予定)を延期する用意があると表明せざるを得なくなりました。
大統領テレビ演説は国民の怒りの火に油を注いだ格好となり、7日の宮殿は、デモ隊の「独裁者は退陣せよ」「革命は続くぞ」の声に包まれました。
なかには、カイロ中心部から6時間行進して到着した人々も。その一人、女性教師のマルワ・モハメドさん(32)は「演説で私たちのことを暴漢呼ばわりした大統領は、もはや新たな独裁者というほかありません。私たちは“革命派青年”として、大統領退陣を要求します」と語りました。
大統領の強権支配に反対する統一組織「国民戦線」は7日の声明で、「大統領は国民の要求に応えないうえ、自らの支持派に正当性を与え国を二分しようとしている」と厳しく批判しました。
大統領の「権力集中宣言」(11月22日)をめぐっては、イスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルも6日に停止要求を行うなど、批判世論が日々広がっています。