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2012年12月5日(水)

イスラエル入植地拡大方針に

国際社会から非難

欧州各国 大使に抗議

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 【カイロ=小泉大介】イスラエル政府がパレスチナ「国家」格上げへの報復として決定した入植地拡大方針に対し、欧州各国が自国駐在のイスラエル大使を呼びつけ抗議するなど、国際社会の非難が強まっています。


 3日までに大使を呼びつけたのは、イギリス、フランス、スペイン、スウェーデン、デンマークの5カ国政府。英仏両国は、駐イスラエル大使の本国召還を検討しているとの報道も出ています。これまでイスラエル批判を差し控えていたドイツも、政府報道官がパレスチナとイスラエルの2国家共存のための交渉に「否定的な影響を与える」と批判しました。

 今回の入植地拡大方針は、国連総会が「国家」格上げを決議した翌日の11月30日に明らかになったもの。東エルサレムとヨルダン川西岸で新たに3000戸の入植住宅を建設することに加え、西岸のマーレアドミム入植地と東エルサレムの間にある「E1」地区での入植地建設計画を推進するという中身です。

 とくに「E1」地区での入植地建設は、西岸の南北分断という極めて重大な結果をもたらします。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は2日の声明で、「入植地は国際法違反である」としたうえで、「『E1』地区での入植地建設は、2国家共存の解決策にほとんど壊滅的な打撃を与える」と述べるなど、異例の警告を行いました。

 アラブ連盟(21カ国とパレスチナ自治政府が加盟)のアラビ事務局長は3日の声明で、各国政府による非難表明では不十分であり、国連安全保障理事会による対応が不可欠だと強調しました。

 いまのところイスラエル政府の入植地建設推進の立場に変化はなく、同国のハーレツ紙3日付(電子版)は、首相府高官が「われわれは国際的な圧力に抗してでも死活的利益を守る。入植地拡大の決定は変わらない」と述べたと伝えました。


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