2012年12月4日(火)
消費税 是非決めるのは国民
共産党躍進が増税止める力
消費税増税の是非は総選挙(4日公示、16日投票)の大争点です。解散の引き金になった消費税増税問題で民主・自民・公明の「増税談合連合」に厳しい審判を下すとともに、消費税増税に頼らない道を唯一示している日本共産党を伸ばすことこそ、消費税増税の実施を中止させる一番の力となります。
反対 国民多数の声
「4年間は、消費税増税の必要はまるでない。消費税の議論などしないことを民主党は約束する」(鳩山由紀夫民主党代表、2009年8月19日)
こう話していたのが民主党です。この公約を踏みにじり、民主、自民、公明3党の「増税連合」で消費税増税法案を強行しました。
「デフレ不況」下に、13・5兆円もの所得を国民から奪う大増税。国会は決めても国民は認めていません。
直近の世論調査でも、消費税増税反対は国民の多数の声です。消費税増税「反対」が55・6%(「東京」)と過半数を占め、賛成42・3%を上回っています。
野田佳彦首相は国会では「増税を実施する前に、国民の審判を仰ぐ」と弁明をくりかえしておきながら、この総選挙で正面から消費税増税の是非を問う姿勢を示していません。民主党の政権政策(マニフェスト)でも「社会保障の充実」「低所得者対策」を強調するだけで、争点隠しといわざるを得ません。
自公両党も民意を踏みにじって談合で増税を強行したことに反省はなく、「実施できるよう景気対策を」(自民)と増税実施を前提にした無反省な姿勢を示しています。
この問題について日本共産党の志位和夫委員長は11月30日の党首討論で、野田首相に「消費税増税を実施していいのかどうか、そのものの是非を正面から国民に問うことはあなたの責任ではないか」と迫りました。首相は質問には答えられず、増税に執念を見せただけ。答えをだすのは有権者の審判です。
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経済は奈落の底に
長引く不況で、庶民の暮らしも中小業者の営業もギリギリの状態です。
現在進行している経済悪化は、庶民の収入が減り続けていることが原因です。勤労者世帯の平均年収は、2011年には612万円と、1997年のピーク時から102万円の減少。モノが売れず、価格が下がり、経済が縮小する悪循環に陥っています。消費税増税は、庶民の生活に耐え難い負担を押し付けます。
政府の試算でも、年収300万円の4人世帯(専業主婦、小学生の子ども2人)の場合、「税と社会保障の一体改革」で、2016年度は、11年度に比べて24万2000円もの負担増です。1カ月分の収入が負担増で吹き飛びます。
国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費の冷え込みは、日本経済全体に悪影響を与えます。ニッセイ基礎研究所は、14年度に実質GDP成長率が2・1ポイント下がると試算。消費税増税は、日本経済を奈落の底に突き落とす道です。
消費税増税をしても、景気悪化により全体の税収は落ち込むことになります。1997年に消費税率を5%へ引き上げた結果、国と地方の税収は90兆円から76兆円に減りました。
富裕層・大企業から
財源といえば、消費税増税の大合唱。しかし、日本共産党が主張しているように、「消費税に頼らない別の道」はあります。
富裕層への減税ばらまきの結果、所得1億円を超えると、所得税の負担率は逆に下がります。研究開発減税や連結納税制度など大企業を優遇する税制のために、法人税の実質負担率は、大企業が中小企業より低くなっています。
税引前当期純利益に対する法人税、法人事業税、法人住民税の3税の割合は、三井物産が9・1%、住友化学が19・9%、トヨタ自動車が30・8%です。
こうした不公平税制を抜本的に是正し、富裕層・大企業に応分の負担を求める税制改正こそ必要です。
同時に、国民の所得を増やすことが求められています。大企業の内部にため込まれた260兆円にも及ぶ内部留保を日本経済に還流させることが必要です。個人消費を増大すれば、経済は内需主導で安定した成長の軌道に乗ります。
日本共産党は、人間らしく働ける労働のルールを確立すること、中小企業への振興策、原発からの撤退・自然エネルギーの普及、安心の子育て社会の実現などを掲げています。
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中止法案提出を公約
日本共産党は国民いじめの消費税に導入当初から一貫して反対してきました。反対するだけでなく、富裕層や大企業に応分の負担を求める税制改革など、消費税増税に頼らない別の道があることを提案してきました。
提案だけではありません。先の通常国会では、消費税増税反対という国民多数の世論に応えて、ほかの野党に「増税反対」の一点で共同を呼びかけ、野党7党・会派が一致結束してたたかい、衆院では内閣不信任案を提出、参院では野田首相への問責決議を自民党も賛成に追いつめて可決させました。
問責理由は公約違反の消費税増税強行です。この転機となったのは日本共産党の穀田恵二国対委員長が呼びかけた6野党の国対委員長会談でした。
今回の総選挙は民自公3党の増税勢力に厳しい審判を下す機会です。日本共産党は、次期国会に消費税中止法案を提出することを呼びかけています。「増税の前にやるべきことがある」(「みんな」)、「消費税増税法の凍結」(「未来」)という政党もありますが、「やることをやったら増税」「解凍」では解決しません。
1979年に大平内閣が一般消費税を打ち出した時、総選挙では日本共産党が躍進し、計画を撤回させました。週刊誌は「共産党勝って『増税なし』、サンキュー」と報じました。
消費税に頼らない別の道がある、この責任ある対案を掲げる日本共産党を伸ばすことこそが大増税阻止の大きな力になります。
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全商連 「ビジョン」に注目
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全国の中小業者でつくる全国商工団体連合会(全商連、国分稔会長)は総選挙を「死活がかかった選挙」と位置づけています。
機関紙「全国商工新聞」12月3日号(写真)は、「消費税増税やめ、景気回復を」の大見出しを掲げ、消費税増税に対する各党の態度と変遷を一覧表にして紹介。「消費税に頼らずに社会保障を充実し、経済危機を打開するという日本共産党の『改革ビジョン』が注目されます」として、抜粋を紹介しています。
全商連は、11月25日に開いた常任理事会で、総選挙の最大の争点は「消費税の増税中止」と「景気回復」であり、「一貫して消費税に反対し、中小業者の役割を正当に評価する日本共産党の躍進こそが情勢の大局から求められている」と決議しました。