2012年12月3日(月)
原発再稼働で違い鮮明
停止のまま廃炉へ―志位委員長が提起
「未来」あいまい、「維新」“ゼロは公約でない”
総選挙の公示前最後の日曜日となった2日、テレビ各局で党首や幹部による討論会がおこなわれ、日本共産党から志位和夫委員長がテレビ朝日系「報道ステーションSUNDAY」、市田忠義書記局長がフジテレビ系「新報道2001」、小池晃政策委員長がNHK「日曜討論」にそれぞれ出席しました。討論では、原発問題で、再稼働を認めるのかどうかが、原発ゼロへの姿勢を図る試金石であることが浮き彫りとなり、この点で各党の違いが鮮明になりました。 詳細(志位委員長の発言、市田書記局長の発言、小池政策委員長の発言)
このうち、志位氏が出席した番組では、日本未来の党・嘉田由紀子代表や「維新」の橋下徹代表代行ら6党の代表が出演。「原発ゼロ」をどうめざすかが議論になりました。志位氏は、「即時原発ゼロ」の具体的なプログラムを示すとともに、「(ゼロにする期間が)10年後、20年後、いろんな議論がありますが、(それでは)結局は『再稼働をする』ということになります」と語り、大飯原発直下に活断層が存在する可能性や地震・津波の学問的知見を根底から見直す必要があることなどをあげ、「再稼働ができないならば、止めたまま廃炉に向かうのが一番現実的な方法です」と強調しました。
議論のなかで志位氏は、「未来」の嘉田氏が再稼働容認発言を批判され、「(再稼働は)針の穴を通すより難しい」などと発言を“修正”したことにふれ、「再稼働をやる『穴』というのは開いていない。そうであれば、私たちのように『即時原発ゼロ』に踏み切ってはどうか」と問いただしました。
嘉田氏は「(容認発言は)手続きを説明した」「危険度をランク付けしながら、安全性の担保ができたところに対しては…」と述べたところで言葉につまり、原子力規制委員会の「信頼性」の問題へ話をすり替えました。「卒原発」を標(ひょう)榜(ぼう)しながら、「即時ゼロ」には答えない姿勢を示しました。
また志位氏は「維新」の橋下代表代行に対し、同党が掲げた2030年代までの原発「フェードアウト(消失)」を石原慎太郎代表が全否定したうえに、「30年代までになくすのは暴論」とまで述べていることを指摘し、「(原発ゼロへの)方向性がはっきりしない」と問いました。
橋下氏は「30年ぐらいにはそういうふうになるだろうと示したわけで、あれは公約でもありません」と開き直り、「原発ゼロ」の方向性さえ持ちえていないことが鮮明になりました。
市田・小池氏も主張
「新報道2001」では、自民党の石破茂幹事長が「安全性が確保されたとき、エネルギーの事情が必要であれば新増設を否定しない」と発言。民主党の岡田克也副総理も「再稼働は当然ある」と明言しました。市田氏は「即時ゼロが一番責任ある確実な方法だ」と主張しました。
NHKでは、自民、民主、公明、維新、みんなの党がそろって原子力規制委などの「安全基準」を前提に再稼働容認の発言をしたのに対し、小池氏が「結局、『安全神話』の復活だ。いまの技術では絶対に事故が起こらない安全基準などありえない」とのべました。