2012年12月2日(日)
日弁連 障害者差別でシンポ
実質ある禁止法を
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日本弁護士連合会は1日、「当事者の声を反映した実質ある障害者差別禁止法の制定を目指して」と題したシンポジウムを開きました。
国連の障害者権利条約批准のために政府は、国内の関連法整備を進めています。来年の通常国会に提出予定の障害者差別禁止法案に向けて政府の障害者政策委員会・差別禁止部会は9月、「意見」をまとめました。
同部会の部会長を務める棟居快行(むねすえ・よしゆき)大阪大学大学院教授が基調報告で「意見」を解説。「障害者差別禁止法は、障害者への理解不足による『差別』が多くある現状で、何が『差別』となるのかを指し示すもの。障害者の社会参加を促すことが目的で、相手方を非難し制裁するものであってはならない」と強調しました。また、「合理的配慮」を「相手方が何かをすることで初めて障害者が障害のない人との平等が実現することだ」と説明。合理的配慮の不提供は差別となると述べました。
パネルディスカッションでは、障害当事者と弁護士がパネリストに。清水建夫弁護士は「障害者雇用枠で雇用されている障害者のほとんどが非正規労働だ」と指摘。「国による振り分け差別だ」と批判しました。
身体障害のある男性(44)は「差別がまったくなくなるのは難しいが、『差別がある』と認識し続け、『あらゆる差別をなくす社会をつくっていかなければならない』といい続けることで差別禁止法が実質的に効力を持つことになる」と強調しました。