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2012年12月2日(日)

敦賀の断層を調査

規制委 原子炉直下に複数存在

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(写真)敦賀原発敷地内の破砕帯を調査する専門家ら=1日、敦賀市

 原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理と外部専門家による調査団は1日、原子炉建屋直下を走る破砕帯(断層)が近くの活断層と連動する可能性が指摘されている日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の敷地内の破砕帯を調査しました。規制委による現地調査は、先月の関西電力大飯原発(福井県おおい町)に次いで2回目です。

 敦賀原発の敷地内には、原子炉建屋の東約200メートルの位置に、北西―南東方向に走る「浦底断層」と呼ばれる活断層がある上に、1、2号機周辺だけで破砕帯が約160本確認されており、一部は原子炉建屋直下を走っています。

 調査団は、1号機と2号機の原子炉建屋直下を走る複数の破砕帯を確認できるトレンチ(溝)などで、これらの破砕帯が動いた年代や、浦底断層との連動性を調べました。

 このうち、2号機の原子炉建屋直下を走る「D―1」と呼ばれる破砕帯の、浦底断層にごく近い場所にあるトレンチの調査は報道関係者に公開され、調査団のメンバーが時折激しく降る雨のなか、掘削面の地層を観察、写真に収める様子がみられました。

 現在の原発の耐震設計審査指針では、13万〜12万年前以降に動いた可能性のある断層を活断層としています。同指針では、活断層の上には原子炉建屋など安全上重要な施設は建てられないと規定しており、10日に行われる調査の評価会合の結果次第で、「立地不適格」として廃炉になる可能性があります。

 調査を終えた規制委の島崎委員長代理らが会見し、「いろいろなことが見えた。全体像をつかみたい」と述べ、2日も継続して調査することを明らかにしました。

 2日は、D―1破砕帯を観察するトレンチを中心に詳しく調査する予定。宮内崇裕千葉大学教授は、「浦底断層はかなり活動性がある。これが動いたとき、いろいろなことが起きると直感できる」と述べ、D―1破砕帯を観察するトレンチの堆積地層を調べたいとの意向を示しました。

活断層との連動指摘受け

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 原子力規制委員会の調査団が1日に日本原子力発電敦賀原発敷地内で調査したのは、確認されている約160本もの破砕帯(断層)のうち、原子炉直下を走る「D―1」「H―3a」「D―5」「D―6」と呼ばれる破砕帯などです。

 これら直下の破砕帯が浦底断層と連動する可能性については、渡辺満久・東洋大学教授ら変動地形学の研究者らが4年前から指摘していました。

 日本原電は、破砕帯の動いた方向や、破砕帯と浦底断層の活動時期が異なるとして、活断層ではないとしています。しかし、今年4月に旧経済産業省原子力安全・保安院が実施した現地調査では、参加した専門家から、直下の破砕帯が浦底断層と連動して動く可能性が指摘されました。

 旧保安院から追加の調査を指示された日本原電は、深さ数十メートルのトンネルなどを掘り進めています。調査団は、それらの現場を専門家の立場から調査したものです。

 敦賀原発は敦賀半島北端に2基が立地しており、1号機は軽水炉として国内で初めて運転した原子炉です。運転開始は1970年3月で、既に40年以上が経過。2号機は87年2月に運転が始まりました。現在は2基とも停止しています。


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