2012年12月1日(土)
国民会議が初会合
3党合意 社会保障給付減の議論開始
消費税増税を強行した民自公が3党合意によって設置した「社会保障制度改革国民会議」の初会合が30日、首相官邸で開かれました。民自公3党が強行した社会保障制度「改革推進」法に基づき、医療や介護の給付削減など改悪の具体策を議論するものです。来年8月21日までに結論を出すとしました。
野田佳彦首相は冒頭、「『一体改革』に政治生命をかけてきたが、増税先行だと誤った批判を受けている」と釈明しつつ、「国民の安心につながる議論をお願いしたい」とあいさつ。岡田克也副総理は、「政党間に社会保障でいろいろな意見・立場があるが、政権が変わるごとに変われば国民生活の安定にならない」と述べ、民自公3党の談合体制を正当化しました。
会議は15人の有識者で構成され、清家篤・慶応義塾塾長が会長に選出されました。民自公3党は、国民会議とは別に並行して年金制度などの協議を継続するとしています。
解説
福祉削減大連合が前提 総選挙で厳しい審判を
国民会議の開催は、社会保障切り捨ての大連合を民自公の3党がおし進めることを総選挙前に宣言したものです。
国民会議の設置で民主党政権は政権公約だった最低保障年金制度の実現や後期高齢者医療制度の廃止を棚上げしました。
国民会議の議論の土台は、3党が強行した社会保障制度「改革推進」法です。同法は、社会保障への公費を減らすことをうたうなど、社会保障に対する国の責任を投げ捨てるものです。
同会議の検討事項として初会合の前に3党が合意したのは、医療や介護の保険範囲の「適正化」=縮小です。
しかも、同法は社会保障にあてる公費の主要な財源に消費税をあてるとしています。現在、所得税や法人税などもあてられているのを、低所得者ほど負担が重くなる消費税に置き換え、負担をかぶせることになります。
高齢化に伴い社会保障費は当然増えますが、その財源を消費税だけでまかなうことで、結局は、給付削減か消費税大増税かの最悪の二者択一が国民に迫られます。
総選挙前に「対決ポーズ」をとりながらも、増税と社会保障削減の大改悪で連合するのが民自公の3党です。
総選挙で、厳しい審判を下すことが必要です。(鎌塚由美)