2012年11月30日(金)
橋下氏政治資金 乏しい透明度
関連団体1.5億円集金 11年分
過半がパー券 購入者は大半不明
「日本維新の会」代表代行を務める橋下徹大阪市長の関連政治団体が、前年を上回る約1億5000万円もの政治資金を昨年1年間で集めていたことが、大阪府選挙管理委員会が公表(30日付)した2011年分の政治資金収支報告書で明らかになりました。収入の6割以上が政治資金パーティーによるものですが、うちパーティー券購入者の記載されている金額はごくわずかで、実態は不透明です。
実名2人だけ
収支報告書によると橋下氏の政治団体「橋下徹後援会」は、約4627万円(前年3896万円)の収入。うち3149万9千円は3回の政治資金パーティーによる収入でした。しかし、パーティー券購入者で名前が出ているのは、150万円の会社役員と60万円の医師の2人だけです。透明度はわずか6・7%。
政治資金規正法では、政治資金パーティーで収支報告書への記載義務があるのは20万円以上の購入者のみ。同後援会のパーティーでは、大半がそれ以下という形なので購入者がわかりません。
前年までの同後援会パーティーは、主催政治団体に代わって、パーティー券の販売を行う複数の「あっせん者」による販売が、収入の半分を占めることの不透明さが指摘されていました。今回は、「あっせん者」による販売はありませんが、記載者が2人では、透明度が増したとはいえません。
橋下氏が代表の「大阪維新の会」は約1億290万円と、前年(約6720万円)を大きく上回る収入がありました。
その半分以上を占めるのは、昨年9月に大阪市内のホテルで開いた政治資金パーティー「大阪維新の会懇親会」による収入の6622万円。このパーティーも寄付者が記載されているのは、8企業・団体364万円分だけ。透明度は5・5%にすぎません。
パーティー券購入の最高額は、大阪府薬剤師連盟の150万円。部落解放同盟大阪府連委員長だった故上田卓三元社会党衆院議員が設立した「ティグレフォーラム」にも22万円分を購入してもらっています。
同会への献金は、橋下氏らを応援する「経済人・大阪維新の会」200万円、大阪府私立学校振興協会100万円など団体から1144万円。一方、個人献金は614万円です。
「抜け穴」公言
「日本維新の会」は結成の規約で「企業・団体献金の禁止」を掲げました。しかし、政治資金パーティーについては「抜け穴」(橋下氏)だと公言して容認しています。