2012年11月30日(金)
維新の公約
自民党とうり二つ
憲法を平然と踏みにじる言動を繰り返してきた石原慎太郎前東京都知事と橋下徹大阪市長が「大同につく」といって維新に合流した結論は、「自主憲法の制定」でした。
29日に発表した維新の衆院選公約「骨太」には、自民党綱領やその基本政策とうり二つの言葉が、ずらりと並びました。
「自主憲法の制定」のほか、「集団的自衛権の行使」、「(領土に対する)実効支配力を強化」「自衛隊の武器使用基準の見直し」―。海外での戦争を可能とする集団的自衛権の行使については、「国家安全保障基本法の整備」とまで明記し、自民党への同調ぶりを強調しました。
死の商人
橋下氏は会見で、武器輸出について「日本が一番の急所を持っておきながら、そういう武器が世界各国に流れていったら強力な安全保障だ」とのべ、武器輸出禁止原則をまったく無視し、「死の商人」へすすむ道筋を示しました。
また、経済対策として、解雇規制の緩和に加え、最低賃金制度の廃止を新たに明記。競争至上主義を強調して、「他の党には示せないものだ」(橋下氏)と誇ってみせました。
原発政策については、「結果として、既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウトする」と明記しました。これは再稼働を容認しつつ、政治決断としての「原発ゼロ」を投げ出す姿勢と、新型原子炉による発電に固執するものです。
官僚任せ
記者会見で、橋下氏は「(原発ゼロへの)具体的工程表は霞が関の組織、専門家に作ってもらうしかない」と述べ、官僚まかせの「決められない」姿勢と政策力の欠如を露呈。「プランを出せないのに10年後にゼロとか、即ゼロとか、そんなバカな選挙をやるのか」とのべ、「原発ゼロ」実現へのプロセスから逃げる姿勢を示しました。
しかし、原発事故の危険性、使用済み核燃料処理の困難、原発なしでも今夏の猛暑を乗り切れた実績などから、国民的には「即時ゼロ」を求める声が多数です。原発再稼働を許さず即時ゼロを実現する―この日本共産党の立場こそ、最も現実的で責任ある立場です。(中祖寅一)