2012年11月29日(木)
領有権主張地図に各国反発
中国旅券
【ハノイ=面川誠】中国が5月から発給しているパスポート(旅券)に、周辺国と領有権紛争が続く地域を中国領土とする地図が印刷されていることに非難が続出しています。領有権争いの当事国であるベトナム、フィリピン、インドに続き、南シナ海問題で仲介役となっているインドネシアも「紛争を激化させる」と批判に加わりました。
インドネシアのマルティ外相は26日、「中国は間接的に領有権を認めさせようとしているのかもしれないが、目的にそぐわないばかりか紛争を激化させる」と指摘しました。
ベトナムは中国旅券にビザ(査証)を直接貼り付けずに別紙でビザを支給する方法を開始。インドはビザ発給の際、紛争地域を自国領とする地図を押印し、フィリピンは地図のない旅券への変更を求めています。
マルティ氏は「中国の目的が(領有権の)承認をもらうことなら、交渉による解決しかない」と強調しました。
5月時点では尖閣諸島をめぐる日本との対立が激化していなかったためか、地図に尖閣諸島は含まれていません。