2012年11月29日(木)
市政そっちのけ
橋下大阪市長 遊説の日々
解散後「公務日程」2日だけ
「日本維新の会」の代表代行を務める橋下徹大阪市長が公務そっちのけで国政政党の幹部として総選挙の全国遊説に明け暮れている事態に、大阪市民から厳しい批判の声があがっています。(大阪府・小浜明代)
市民との懇談は「時間ない」
「公務日程なし」。市のホームページに掲載されている「市長の日程」欄には連日、こう記載されています。解散翌日の17日以降28日までの12日間で橋下市長が市役所に登庁したのは、市議会本会議が開かれた20日だけ。それ以外で市長として姿を見せたのは、22日の関西広域連合の会議だけです。(表参照)
市役所には、市民から「平日まで選挙活動するのはいかがなものか」「市長職に専念すべきだ」との声が寄せられています。
橋下市長は当初、国政政党の代表(当時)との兼務について「寝る時間を割けばいいだけ」と言ってのけました。
市民の批判に対し、橋下市長は必要な指示はメールで出していると主張。ツイッターで「選挙で選ばれた公選職。政治活動をやるのは当たり前だ」などと開き直っています。
市長は特別職で一般公務員のように職務専念義務や勤務時間の拘束はありません。しかし、地方の首長が国政の選挙活動のためにあまりにも長期に「公務なし」が続いているのは、本来の姿とはいえません。市長の報酬は市民の税金です。
自治体の本来の使命は、憲法と地方自治法に基づき「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条2項)ことです。市長にはその職務を先頭に立って果たす責任があります。
橋下市長は廃止しようとしている住吉市民病院や赤バス(コミュニティーバス)の存続を求める市民の懇談の要請には「時間がない」といって面談を拒否し続けています。
その一方で、全国遊説の時間はしっかり確保しています。
橋下氏は、国政を変え「大阪を良くするための政治活動も市長の仕事」(ツイッター)と主張していますが、橋下氏率いる「維新」が国政でしようとしているのは大阪の悪政の全国ばらまきです。
住民の声聞け
住吉市民病院を充実させる西成区民の会の竹内智子事務局長は言います。「国政進出で活動する時間があるなら、住民に市の方針を丁寧に説明し、廃止に反対する住民の声を聞いて受け止めるべきではないでしょうか。廃止を強行するなら独裁政治そのものです」
■衆院解散後の橋下氏の日程
17日(土) 公務日程なし(太陽の党と合流、石原慎太郎前都知事と市内で会見)
18日(日) 公務日程なし(テレビ出演)
19日(月) 公務日程なし(高槻市など府内4カ所で遊説)
20日(火) 公務日程あり(市議会本会議出席)
21日(水) 公務日程なし(寝屋川市など府内5カ所で遊説)
22日(木) 公務日程あり(関西広域連合の会議に出席)
23日(金) 公務日程なし(堺市など府内4カ所で遊説)
24日(土) 公務日程なし(香川県などで遊説)
25日(日) 公務日程なし(愛媛県などで遊説)
26日(月) 公務日程なし(福島県会津若松市でタウンミーティング)
27日(火) 公務日程なし(福島県などで遊説)
28日(水) 公務日程なし(秋田県などで遊説)