2012年11月28日(水)
原電調査は不自然
規制委 検討チーム事前会合
敦賀原発
原子力規制委員会は27日、原子炉建屋直下を走る破砕帯(断層)が近くの活断層と連動する可能性が指摘されている日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)を来月1〜2日に現地調査する検討チームの事前会合を開きました。
同原発の敷地内には原子炉建屋の東約200メートルに「浦底断層」と呼ばれる活断層があるほか、破砕帯が約160本確認されており、一部は1号機、2号機原子炉建屋直下を走っています。日本原電は、破砕帯は活断層ではないとしていましたが、今年4月24日、旧経済産業省原子力安全・保安院が実施した現地調査で、参加した専門家から、直下の破砕帯が浦底断層と連動して動く可能性を指摘され、追加調査を行っています。
会合では、事務局が、日本原電が実施しているトレンチ(溝)の掘削状況を報告しました。
検討チームの鈴木康弘名古屋大学教授は「破砕帯の分布図が直線的に描かれ不自然。確実なものがどれか区別してほしい」と述べ、藤本光一郎東京学芸大学准教授は「破砕帯の活動年代を決めた調査方法のチェックをすべきだ」などと指摘しました。
また鈴木氏は、近くに活断層がある敦賀原発では「通常以上に安全側の判断が求められる」と強調。追加調査となる場合、原子力規制委員会が独自に実施することを要望しました。
現在の原発の耐震設計審査指針は、活断層の上には原子炉建屋など安全上重要な施設は建てられないと規定。評価次第で「立地不適格」として廃炉になる可能性があります。