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2012年11月26日(月)

政治の閉塞打開の道筋ここに

共産党対自民型の違い浮き彫り

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 25日のNHK番組「日曜討論」に小池晃政策委員長、フジテレビ「新報道2001」に笠井亮政策委員長代理がそれぞれ出演。討論を通じて各党との違いが浮き彫りになりました。


「NHK日曜討論」小池政策委員長の発言

経済

消費税増税中止し所得増やす本当の不況打開を

各党は内需による打開策触れず

 デフレ・経済対策について民主党の細野豪志政調会長は「雇用を重視」というものの、「社会保障の財源の部分は消費税でお願いせざるを得ない」といい、自民党の世耕弘成政調会長代理も、「いったん国会で決めたことだから、粛々と消費税は上げる」と消費をさらに冷え込ませる増税実施を主張しました。

 民主、自民をはじめ公明党の石井啓一政調会長、みんなの党の浅尾慶一郎政調会長、維新の片山虎之助参院議員はいっそうの金融緩和を主張しました。

 各党が内需拡大による「デフレ不況」打開策に触れられないなか、小池氏は次のようにのべました。

  小池 いま働く人の所得が減って消費が冷え込んで内需が落ち込んでいるわけです。どの国も内需の拡大をやるのに日本は逆に内需を壊す政治をやってきた。これが最大の原因です。

 私たちは二つ提案しています。一つはさらに所得を奪うような消費税増税を中止する。これは被災地にも大打撃です。消費税増税中止法案を出して成立させたい。もう一つは大企業がため込んでいる260兆円をしっかり雇用や中小企業に動かしていく。正社員にする。賃金を引き上げる。中小、下請け業者を守るルールをつくりあげる。これを急いでやっていく。

 社会保障の財源は消費税に頼らない別の道で行こうではないですか。富裕層や大企業に応分の負担を求める。これが進むべき道だと訴えていきたい。

 金融緩和をしても銀行の金庫にお金がたまるだけですから、何もならない。財界中心の政治から抜け出して本当の不況克服をやっていこうと訴えていきたいと思います。

 国民の生活が第一の松崎哲久副幹事長は増税撤回を求めました。

TPP

日本の農業つぶし皆保険にも影響 断固反対

自民「交渉入りしたい」

 米国が主導する環太平洋連携協定(TPP)への対応について自民党の世耕氏は「日米の信頼関係に基づいてきっちり事前交渉し、守るべきものを守ることを確認した上で、交渉入りしたい」と述べました。民主党の細野氏は「FTAAP(アジア・太平洋自由貿易圏)という大きな枠組みの一つの選択肢としてTPPもある」と述べ、「政府が判断すればいい」とごまかしました。

 みんなの党の浅尾氏は「政党の中で唯一、TPP交渉参加を決めている」と自慢。日本維新の会の片山氏は「(参加国で)決まったことは全部言うこと聞けという姿勢だ」と言いながら、「交渉参加はOK」と述べました。

 TPP推進の各党が「守るべきものは守る」とごまかしながら交渉参加を主張したのに対し、小池氏は「参加して主張するというが、FTA(自由貿易協定)で2国間交渉で例外をつくることができたけれど、TPPは『例外なき関税撤廃』を目的として出てきた。『例外なき』が前提だ」と指摘。その上で、「(TPP)交渉参加に反対だ。39%の食料自給率を13%に下げ、日本から農業がなくなってしまう。食品の安全基準や国民皆保険も心配だ。交渉参加をすること自体が『例外なき関税撤廃』を認めることになるわけだから、この道を進んではいけない」と主張し、今後の貿易ルールについては次のように述べました。

  小池 各国との経済関係は、経済主権、食料主権が国の柱だから、これをしっかり守り、この道を進んでこそ、暮らしも経済もまともな国際関係もつくれることを日本は堂々と訴えていかなければいけない。(TPP)断固反対だ。

 「減税日本・反TPP・脱原発」の山田正彦氏は「交渉参加に絶対反対だ」と述べ、生活、社民なども反対しました。

原発

福島の苦しみに応えるため政治の責任が求められている

民主も自民も責任論泥仕合

 原発・エネルギー政策について民主党の細野氏は「即原発ゼロは現実的ではない。自民党の先延ばしも無責任だ」と主張。自民党の世耕氏は「民主党は2030年代に脱原発するとしながら、実際の政策はまったく脱原発に向かっていない。こういう国民を惑わす政策が問題だ」と発言し、その後、原発大量立地の責任をなすりつけあう泥仕合になりました。日本維新の会の片山氏が「(脱原発は)40年代でも50年代でもいい」などと発言、維新が「脱原発依存」の看板さえ投げ捨てたことが明りょうとなりました。

 これに対して日本共産党の小池氏はこう述べました。

  小池 私たちは即時原発ゼロです。福島は県内外に16万人避難しており、原発は動かせば動かすほど核のゴミが出る。解決策がないものは直ちにやめよう。

 細野さんは「現実的でない」といったが、国民の節電努力もあって、猛暑の夏も原発なしで乗り切り、大飯原発なしでも足りていた。なぜわざわざ再稼働というのか。大体どこを動かせるのか。それこそ非現実的です。大飯原発だって活断層の疑いがある。これも止めて、(他の原発も)すべて止まっているのだから、そのまますべて廃炉にしよう。これが一番現実的だと思います。

 当面5年から10年は、火力発電で緊急避難で電力を確保し、その間に再生可能エネルギー、低エネルギー社会をつくっていくことに知恵も力も出してみんなでとりくもうじゃないか。福島の苦しみに応える政治の責任が今、求められている。

 さらに、細野氏が「地域を元気にする経済に戻していく意味で再生可能エネルギーは可能性が高い」と発言したのに対し、小池氏は次のように述べました。

  小池 原発事故でこれだけ日本経済が停滞した。また事故が起こったら壊滅します。例えばドイツでは大企業シーメンスも完全撤退しました。ドイツで、原発よりも再生可能エネルギーの方が13倍の雇用効果が生まれています。地域経済も元気にします。発送電分離をきちんとやりながら自然エネルギーを広げましょう。

 いろいろ理由を付けて原発にしがみつこうという動きがあるけれど、きっぱりその道を断って再生可能エネルギーで、日本経済の成長と発展につながる道を歩んでいく決断をする時です。

安全保障

安保条約やめて新時代つくる「憲法9条守れ」を選挙争点に

自民は「国防軍」構想を釈明

 安全保障では、改憲して自衛隊を「国防軍」に変え、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使も容認する自民党の公約が話題に。

 自民党の世耕氏は、自衛隊について「実際にはどうみても軍隊」「国を守る軍隊は『国防軍』であって何もおかしいことはない」と強弁。一方で批判を意識して、「国防軍の3文字だけを言うのはおかしい」と釈明する場面もありました。

 維新の片山氏も「スジからいうと国防軍か自衛軍か、きちっとして(憲法)改正したほうがいい」と理解を示しました。

 集団的自衛権の行使も「安全保障基本法をつくって法定すべき」(生活)など容認する意見が相次ぎました。

 これに対し、小池氏は「自衛隊が憲法9条違反というが、憲法違反を承知で世界有数の軍隊をつくり、矛盾をつくったのは自民党だ。それを棚に上げるのはおかしい」と厳しく批判したうえで、次のように語りました。

  小池 「日米同盟基軸」というが、NHKの世論調査でも、“これからの安全保障は日米同盟基軸”は19%しかいない。あとは“アジアとの関係”だと言っている。中国の軍事力にどう対処するか、“アメリカの軍事力”というのは12%で、8割は“外交的対応”だ。「何でもアメリカに頼っていたらうまくいく」という時代は終わったと(思います)。私たちは、安保条約をやめて、日米友好条約にして、対等・平等の新時代をつくる、この道に踏み出すべきだと(提案しています)。

 もう一つは、憲法解釈をかえて集団的自衛権(を行使する)、憲法そのものを変えて国防軍を持つ。核武装の準備をすると言う人(=石原慎太郎・日本維新の会代表)もいる。こんな議論すること自体が、本当に周辺各国に笑われて、日本の地位をおとしめることになる。憲法9条をしっかり守っていくということを選挙の大争点にして訴えていきたい。

 核武装めぐる小池氏の指摘に、維新の片山氏は「シミュレーションだ」と“反論”。これについて小池氏が「シミュレーションというのは準備をしようということだ。国政にこれから出ようという人がそんなことを言うこと自体が非常識だ」と指摘すると、片山氏も反論できませんでした。

領土問題

日中双方の軍事的対応は戒め解決向け本当の外交取り戻す

各党は解決への道示せず思考停止

 外交では尖閣諸島の問題が議論となり、司会の島田敏男氏がまず、「共産党は尖閣諸島が日本の領土だという認識を歴代内閣と共有しているといっていますね」と水を向けると、小池氏はこう答えました。

  小池 尖閣は日本の領土というのは明らかです。それは一貫して言っています。

 ところが、外交姿勢でみると、歴代政府は、領土問題は存在しないと繰り返して、まともな交渉をやっていない。自民党の石破(茂)幹事長が雑誌で「自民党政権下も含めて、尖閣問題をうやむやにしてきた事なかれ主義の政治を率直に反省しなければならない」(『VOICE』12月号)と(言っています)。ところが、反省したと思ったら、今度は「軍事力だ」「集団的自衛権だ」というわけです。これでは、事態はますます悪化するだけです。

 日中双方が、軍事的対応を厳しく戒め、いままで「外交不在」だったのを「外交攻勢」で解決していこう。領土に関わる紛争はあるわけで、それを認めて、きちっと歴史的事実、道理を示した外交交渉をやって解決しよう。軍事力ではない、外交力で解決しようと(提案しています)。実際、駐日中国大使にも直接伝えています。本当の外交を取り戻すということを求めていきたい。

 これに対して、各党は「国有化」の手法や手順を非難したり、「米国との関係がきしんだのが大きな要因」(公明)、「日米関係が大変なところに、中国につけこまれた」(自民)など、対米従属の姿勢から民主党政権をなじるだけで、領土紛争の解決方向を示せませんでした。

 民主党の細野氏も「日本の領土だから確保するのは当然だ」というだけで“思考停止”は変わりません。

国のあり方

60年続いた自民党型政治改め新しい日本をつくる総選挙に

 国のあり方をどうするのか問われ、公明、維新、生活、みんなは市町村合併につながる「地域主権型の道州制」を主張。維新の片山氏は「消費税を11%にする。5%を今の地方消費税にして、6%は交付税の形をかえて地方共有税とする」と述べました。民主・細野氏も保育所の面積基準をなくすなど国の責任を投げ捨てる「地域主権」改革を進めていくと発言。小池氏は次のように述べました。

  小池 今年は日米安保条約を発効して60年です。60年間続いた、いわば自民党型政治が行き詰まってきていると感じます。政権は代わったけれども結局アメリカにつき従う。沖縄の基地の問題では沖縄の怒りは限界点を超えていますし、オスプレイの配備・低空訓練では全国に怒りが広がっている。これに応えられない。財界中心ということでいえば、深刻な不況にも財政の危機にも答えを出せない。新しい政党はいろいろと出てきていますが、結局その枠組みの中なんじゃないか。そういう点で、私たちはやっぱり根本から変えていく。国民と草の根で結びついて頑張ってきた90年の歴史を持つ党として、やはり日本のこの60年の自民党政治の行き詰まりを打開して、新しい日本をつくろうということを訴えていきたいと思います。


フジテレビ番組 笠井政策委員長代理の発言

年金

民主「高齢者も負担」自民「最低保障年金難しい」

応能負担で最低保障年金を

 「新報道2001」では民主党の年金「改革」案をめぐって議論となり、民主・大塚耕平政調会長代理は「高齢者にも負担を」、自民・鴨下一郎幹事長代理は「最低保障年金は難しい。消費税であまねく負担を」などと発言。笠井氏は次のようにのべました。

  笠井 (民主党の年金「改革」案は)ずっと先の話で、それも消費税増税でという話です。日本共産党は「最低保障年金」で掛け金に応じて上乗せする。国の制度にすべきだと考えます。財源は逆進性が高い消費税ではなくて所得税、応能負担でやっていきます。

 解散のどさくさで増税はするわ、年金の2・5%引き下げもやりました。1カ月分の年金が吹っ飛ぶんですよ。世代間の格差といわれますが、高齢者の年金が減ると現役世代も困る。消費が落ち込み景気も悪くなる。お金を持っている方は持っているのに応じて支払うようにしなければならないと思います。

 公明・斎藤鉄夫幹事長代行が「3党合意で賦課方式を改善しながら進めていく」と発言。笠井氏はこうのべました。

  笠井 今の制度でいくと負担は増えて給付は減る。民主党は最低保障年金で所得比例というが、払えない人はもらえない。どんどん給付を減らしたら、年金に対する信頼がなくなって未加入の人ももらえない人も増える。抜本的に切り替えないとダメです。

 支給開始年齢引き上げについて大塚氏は「やむをえない」、みんな・柿沢未途副幹事長は「やる前に未納事業所から徴収すべきだ」と発言。笠井氏はこうのべました。

  笠井 支給開始年齢の引き上げは契約違反であり、現役世代も負担が重くなるからますます年金の信頼がなくなる。まず減らない年金にすることで信頼を勝ちとることです。

財政再建

民主・自民・公明は消費税増税だのみ

消費税増税以外の道を示す共産党

 財政再建にテーマが移り、民主、自民、公明の各党は消費税増税頼みの姿を示しました。歳出削減、消費税増税、経済成長の三つの選択に優先順位をつけるよう提起され、消費税増税を除外したのは日本共産党だけでした。

  笠井 消費税増税というのは10%だと年間13・5兆円の負担増ですから、これでは景気を冷え込ませるし、税収も減ります。こんなやり方をとるべきではありません。その上で優先順位でいえば歳出の削減です。大型公共事業も無駄なものは3・5兆円減らすことを提案しています。消費税に頼らない別の道を行くのが私たちの考え方です。富裕層への課税、大企業への行き過ぎた減税を正します。大企業がため込んでいる260兆円の内部留保はもともと働く人や中小企業がつくったものですから、それを国民に還元することで、デフレ不況を克服しようということです。

 自民、民主、みんななどが経済対策として日銀による強力な金融緩和をあげたのに対し、笠井氏は次のように述べました。

  笠井 内需が冷え込んでいるときに、日銀がいくらお金を出したところで、企業は投資に回さず逆に投機に回っている。日銀の白川方明総裁も目標を持つのだったら、賃金の上昇目標を持つべきだと言っていますが、そういう方向にいかないといけません。


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