2012年11月25日(日)
新たな独裁許さない
「権力集中宣言」に抗議
エジプト
|
【カイロ=小泉大介】エジプトの首都カイロで23日、モルシ大統領が前日に発した「権力集中宣言」に抗議するデモが行われ、数万人が「新たな独裁を許さない」と怒りの声を上げました。同様のデモは北部の主要都市アレクサンドリアなど全国各地で取り組まれました。
今回の「宣言」は、新憲法制定と新人民議会(下院)選出までという期限付きながら、大統領令が司法を含むすべての機関の判断に優越して効力を持つというもの。大統領の出身母体であるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の独裁を狙っているとの批判が「宣言」の表明直後から湧き起こりました。
カイロの中心部タハリール(解放)広場に集まった人々は「エジプトはみんなのものだ」「同胞団の支配を阻止するぞ」などとシュプレヒコール。6月の大統領選で大健闘したサバヒ氏ら「革命」派の政治指導者も参加者の輪に加わりました。
キリスト教徒の女子大生、マヤ・アシュラフさん(20)は、「モルシ大統領就任から5カ月がたちますが、暮らしも経済も、腐敗した政治も何も良くなっていません。私たちはあきらめずに、革命の要求が達成されるまで声を上げ続けなければなりません。その運動に加われるのが私の誇りです」と力を込めました。
23日には大統領支持派のデモも各地で行われ、カイロの集会ではモルシ大統領が演説。「私が目指しているのは政治的、社会的、経済的な安定だ」「エジプトは自由と民主主義の道を進んでいる」などと述べました。