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2012年11月25日(日)

主張

COP18

日本も国際責任果たすべきだ

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 温室効果ガスの排出削減についての法的枠組みを話し合う国連会議(国連気候変動枠組み条約第18回締約国会議=COP18)が、26日からカタールのドーハで開かれます。全加盟国を対象にした新たな国際協定の交渉が、2015年までの合意をめざして開始され、その進展が焦点となります。

 排出削減の国際的取り組みは一段と緊急になっており、合意に向けた各国の努力がかつてなく求められています。日本も国際責任を積極的に果たす立場で、交渉を後押ししなければなりません。

後ろを向いた野田政権

 厳しい干ばつや大洪水など、地球温暖化の影響とみられる異常気象が世界各地で頻発するようになっています。大気中の二酸化炭素など温室効果ガスの濃度が昨年は過去最高を更新したと、世界気象機関(WMO)が20日発表しました。温暖化をもたらす「放射強制力」は1990〜2011年に30%増加したといいます。

 取り返しのつかない環境悪化を防ぐには、産業革命以来の気温上昇を「2度以内」に抑えるべきだとの世界的な合意があります。その達成が年々困難になっています。COP18を成功させることは重要な国際課題です。

 野田佳彦政権が排出削減にきわめて後ろ向きであるのは重大です。先進国に削減を義務づけた京都議定書の第1約束期間が今年で終了し、来年初めには第2約束期間が始まります。日本は、法的義務の引き受けは途上国の参加が条件だとし、第2約束期間に参加しないことを表明しています。新たな枠組みが発効する予定の20年まで法的義務を負わないとする姿勢で、大量排出している国としての責任を投げ捨てるものです。

 日本の姿勢は新たな枠組みづくりにも障害となり、孤立化は避けられません。日本は第2約束期間に参加すべきです。

 日本が大幅削減の国際責任を果たすのは当然であり、それに見合う対策を早急にとることが不可欠です。福島原発の重大事故を受けて、原発をただちにゼロにすべきことは譲れない前提です。歴代自民党政権といまの民主党政権がとってきた原発頼みの対策は根本から転換しなければなりません。

 原発がほぼ停止したもとで、火力発電が拡大しています。これは持続可能なエネルギー供給のあり方ではありません。火力による電力確保は緊急避難的な措置とし、再生可能エネルギーの速やかな普及に最大限の努力を払うべきです。低エネルギー社会への移行を急ぐことも重要です。

 こうした考えに、日本の排出削減に大きな責任を負う財界が強く抵抗していることは見過ごせません。経団連は、「30年代に原発稼働ゼロ」という政府方針さえ「深刻かつ甚大な悪影響を及ぼす」と非難するなど、原発にしがみついています。排出削減でも、義務付けではなく企業の自主努力で、というのが一貫した主張です。これでは国民の願いである原発ゼロも、排出削減の国際責任も果たすことはできません。

「財界中心」断ってこそ

 実効ある温暖化対策は財界中心の古い政治では実現できません。行き詰まった政治を大本から正す立場をもつ日本共産党の前進こそ、原発ゼロも排出削減も実現する確かな保証です。


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