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2012年11月25日(日)

三菱重工分だけがなぜか黒塗り

原発マネーの自主申告書

規制委検討チーム専門家

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(写真)国内で稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(手前から)の原子炉は三菱重工製です

 原子力規制委員会で安全基準づくりを担当する検討チームに加わる専門家が業界からの寄付の有無を報告した自主申告書(写真)で、企業が提供した資金額の一部が黒塗りで隠されていることがわかりました。この不可解な黒塗りについて、同委員会などは本紙の取材に明確な説明ができず、不透明さが浮き彫りになりました。

 黒塗りがあったのは、山本章夫名古屋大大学院教授の自主申告書です。それによると、原発関連企業5社から委託研究16件がありました。このうち4社については提供した額が記されていましたが、三菱重工の3年分は黒塗りでした。

 黒塗りにしている理由について、三菱重工は「当社だけ、なぜこうなっているかはわからない」と回答。

 一方、原子力規制委員会は、「金額を公表するのが委員会の基本的立場。こちらの判断で黒塗りをすることはない。三菱重工と山本教授の間で決めた『不利益な情報』に当たるので、黒塗りになった」と説明しました。

 申告書で、山本教授は少なくとも総額3314万円以上の資金を報酬や寄付、委託研究として提供されていました。黒塗りとなっている三菱重工からの資金を加えると、さらにふくらみます。

 これだけ多額の原発マネーの恩恵を受ける山本教授は、今後の原子力規制の骨格づくりにかかわる公正さが求められる立場です。それにもかかわらず、「不利益な情報」として資金提供の実態を伏せることができるとは―。規制委員会が自主申告の目的としている「透明性・中立性」が問われます。

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