2012年11月24日(土)
岩国・米海兵隊 グアムなどへの遠征訓練費
日本側が 3/4 を負担
オスプレイも参加
山口県の岩国基地に駐留する米海兵隊がオスプレイも「参戦」する大規模遠征訓練をグアムやテニアンで29日から実施します。その訓練費用は「沖縄の負担軽減」を理由に日本が4分の3を負担するという異常ぶりです。
遠征訓練は29日から12月18日まで、岩国基地の第12海兵航空群などが実施。防衛省の発表によればグアム島のアンダーセン空軍基地および北マリアナ諸島のファラン・デ・メディニラ空対地射場でFA18戦闘攻撃機20機、空中給油機3機、MV22オスプレイ4機が戦闘訓練、射爆撃訓練などを実施します。岩国基地から海兵隊員880人が参加するとしています。
訓練移転は米軍再編にかかわるもので、本来ならば沖縄の嘉手納基地で実施するものを、「沖縄の負担軽減」を理由にグアムなどで実施する―としてその費用の4分の3を日本側が負担するという特別協定を2011年に日米合意しています。
日米両政府はこのグアムなどへの訓練移転を今年度5回程度することで今年3月に合意。訓練移転の負担金は昨年度の8億円から今年度は40億円にふくれあがっています。今回の訓練は5月、9月に続く3回目。
マリアナ諸島の現地紙「マリアナ・バラエティ」(11月7日付)によれば、演習名は「フォレージャー・フューリー作戦」でテニアン島の米軍訓練場でオスプレイが初めて飛行訓練を実施すると報じています。訓練は捜索救難訓練としています。
第3海兵遠征軍第1航空団(沖縄)の指揮の演習であり、普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイとみられています。
第12海兵航空群のフレデリック司令官はバラエティ紙の取材に「4機のオスプレイが来る。これはわれわれの人員と装備のマリアナ諸島における輸送能力を増強し、より長距離の任務を訓練するのに役立つ」と演習の意義を強調しています。
負担する理由なし
米海兵隊の遠征訓練に詳しい日本平和委員会の上原久志調査研究委員の話 グアム、テニアンでの訓練移転は嘉手納や岩国での訓練を「移転」したものでないことは明らかだ。米軍の軍事戦略に沿ったものであり、訓練費用の大半を日本が負担する理由はない。