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2012年11月23日(金)

地方整備局なくしちゃ大変

市町村長らが声

出先機関廃止方針 「拙速に進めないで」

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 政府が「地域主権改革」としてすすめる国の地方出先機関の「原則廃止」に反対する声が、市町村長をはじめ、全国で大きく広がっています。


 政府は、地方出先機関を「原則廃止」し、事務・権限を地方広域連合に移譲する方針で、国土交通省の地方整備局、経済産業省の地方経済産業局、環境省の地方環境事務所を対象としています。

 このうち国交省の地方整備局は、東日本大震災直後の4日間で被害をうけた道路15ルートを復旧させ、救援車両が被災地にむかうルートを確保するなど、大きな役割を発揮しました。これには全国の地方整備局から2万人の職員が派遣されました。また、昨年から今年にかけて全国で頻発した豪雨災害でも、復旧にむけて重要な役割を担いました。

 これが地方移譲されれば、機能を維持し、災害などの緊急時に迅速な対応ができるのか、懸念が広がっています。

 その大きな流れの一つが、全国の市町村長でつくる「地方を守る会」です。「守る会」会員となった市町村長は518人(11月1日現在)で、全国1719市町村の3割に達しています。8月に開かれた臨時総会では、「地方整備局並びに地方経済産業局を一部の広域連合に移管することに反対する決議」を採択しました。

 全国市長会も6月、「国の出先機関改革に関する決議」を採択し、政府に対して「(検討を)拙速に進めることのないよう強く要請する」としました。これと前後して、東北市長会をはじめ福島県、群馬県、和歌山県、長崎県の市長会、島根県、熊本県、長崎県、宮崎県、佐賀県の町村長会なども同様の決議採択や意見を表明。自民党の国会議員からもこれに同調する動きが出始めています。

国交労組が要請運動

483市町村議会で意見書や請願採択

 もう一つの大きなうねりとなっているのが、地方整備局の職員らでつくる国土交通労組のとりくみです。

 国交労組は、地方整備局の廃止・移譲に反対し、住民の安全・安心を守る体制の拡充を求めて運動。とくに、全国の自治体への要請では、483市町村議会で意見書や請願を可決・採択させています。

 九州では、県議会を含む240議会のうち105市町村議会で意見書を可決。宮崎県では27議会中23議会に達したのをはじめ、群馬県で36議会中20議会、鳥取県で20議会中16議会、高知県は35議会中32議会で、意見書が可決されています。(いずれも市町村議会)

 この流れの中で政府は、国の出先機関原則廃止に関する関連法案を2012年の通常国会に提出することを目指していましたが、提出できませんでした。

 しかし、衆議院解散前日の15日、「国の出先機関の事務・権限のブロック単位での移譲について」を閣議決定するなど、関連法案提出にむけた動きは崩していません。

 こうしたもとで国土交通労組は、今後もさらに運動を広げるとしています。


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