2012年11月21日(水)
原発被害 すべて賠償を
東電・政府に要求
公害3団体、福島の被害者ら
全国公害被害者総行動実行委員会、全国公害弁護団連絡会議、公害・地球環境問題懇談会と福島県内各地の「原発事故の完全賠償をさせる会」などは20日、国会内で東京電力、経済産業省、文部科学省に対し、福島第1原発事故の被害の完全賠償、原状回復、同県内の全原発の廃炉などを求めて交渉しました。
|
福島県内の被災者や全国各地への避難者ら、会場の席数を大きく上回る200人以上が参加。「要請書を社長は見ていないが、これが東電としての回答だ」などと加害者としての自覚と誠意のかけらもない東電側のごうまんな態度に、激しい怒りの声が噴出しました。
交渉団の要求項目は、▽福島県内の全原発の廃炉▽地域、時間の経過での線引きや期限を区切ることなくすべての被害者への完全賠償▽すみやかな原状回復、除染▽子ども、妊婦をはじめすべての被害者の健康管理・医療体制の整備―など。
東電側は、賠償について「原子力損害賠償紛争審査会の中間指針にのっとり賠償させていただく」と、従来通りの回答に終始。原発廃炉については「未定である」とのべました。
参加者からは被害実態を訴える悲痛な声、怒りの発言が相次ぎました。「賠償は加害者でなく被害者が金額を決めて請求するものだ」(楢葉町の女性)「われわれが求めている額で賠償してもらわなければこれからの生活が成り立たない」(いわき市の男性)「私たちへの説明会に社長が出席してほしい」(子どもとともに茨城県から沖縄県に避難している女性)
交渉団の再三の追及で、東電側は引き続きすべての被害者に対して賠償に関する説明会を開くこと、被害者らの要求と声を広瀬直己社長に届け、改めて社長名で文書回答することを約束しました。
経産省は賠償について「中間指針は最低基準であり、そこに載っていないから支払わないということはあってはならない」と回答。一方、「(原発廃炉は)設置者の東電が経営状況も勘案して判断すべき」(経産省)、「東電の賠償状況を注視する」(文科省)などの無責任な発言に、「原発を推進してきたみなさんの責任は万死に値する」(いわき市「原発事故の完全賠償をさせる会」の伊東達也代表)と、怒りの声が上がりました。
参加者らは、「要求が実現するまで東電、国と交渉しよう」と決意を固め合いました。