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2012年11月19日(月)

“緊縮策は逆効果”

イベロアメリカ首脳会議 見直し要求

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 スペイン南部のカディスで16、17日に開かれたイベロアメリカ首脳会議では、スペイン、ポルトガルの債務危機が主要テーマとなりました。かつて債務危機のもと国際通貨基金(IMF)から緊縮財政策を押し付けられた中南米諸国は、“緊縮策は危機克服に逆効果だ”と強調し、政策の見直しを要求しました。

 スペインとポルトガルは財政赤字の解消を理由に増税やリストラなどの緊縮策を進めています。しかしポルトガルでは付加価値税(日本の消費税に相当)を上げた結果、逆に税収が減るなどし、危機の打開にはつながっていません。

 アルゼンチンのブドゥ副大統領は、中南米諸国が債務危機の際に緊縮策を実行したにもかかわらず、経済は成長せず債務問題が解決されなかったことを指摘。「緊縮策は経済回復に逆行し、状況を悪化させる。世界経済にとっても危険だ」と述べました。

 ブラジルのルセフ大統領は「緊縮一本やりの政策は限界がある。経済成長抜きに財政強化は難しい」と強調。エクアドルのコレア大統領も「欧州の事態は、緊縮策が危機を深刻化させるだけだということを示した」と語りました。

 スペイン、ポルトガルが不況に陥る一方で、経済協力開発機構(OECD)によると、中南米諸国は今年約3%、来年約4%の経済成長を見込んでいます。

 スペインのラホイ首相は「中南米諸国がスペインや欧州で存在感を強めることを奨励したい」として、景気回復のための投資を呼び掛けました。旧宗主国が旧植民地諸国に“支援”を求めた形で、ロイター通信は「(経済的力関係の)運命的逆転だ」と報じました。


 イベロアメリカ首脳会議 イベリア半島にあるスペイン、ポルトガルと、かつて両国の植民地だった中南米諸国が毎年開く首脳会議で、1991年に創設。現加盟は22カ国。貧困削減や雇用創出、持続可能な開発戦略など各国に共通する課題や国際問題を議論し、相互協力を促進することが目的です。


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