2012年11月18日(日)
「戦争医学犯罪」検証を
京都でシンポ 「医の倫理」考える
戦前の「731部隊」や「アウシュビッツ強制収容所」など医師や医学者の戦争犯罪を検証し、現在の医の倫理を考える国際シンポジウム「戦争と医の倫理」が17日、京都大学(京都市左京区)で行われました。「戦争と医の倫理」の検証を進める会が主催しました。
パネリストとしてドイツのティル・バスチィアン医師、医学者の刈田啓史郎氏が報告。
バスチィアン医師は、ナチス時代の医師が障害者施設で大量虐殺を行っていたことなどを告発しました。
刈田氏は、731部隊で生体実験などを行った医師・医学者が免責され、戦後、医学界の指導的地位についたことを指摘し、「日本の医学会は戦争加担や医学犯罪への反省や検証もなく、タブーを抱えて、医のモラルの低下をもたらした」と批判。
さらに、ドイツでも医学会の検証がすすまないなか、2010年にドイツ精神医学精神療法学会が犠牲者への謝罪を表明したことなどを紹介し、日本医学会や医師会が戦争医学犯罪を検証することを求めました。
小島荘明・東京大学名誉教授、川嶋みどり・日本赤十字看護大学名誉教授が座長をつとめました。
同会の西山勝夫代表世話人が開会あいさつしました。
21日まで同大学・国際交流ホールでパネル展を行っています。