2012年11月18日(日)
ガザで地上戦突入も
イスラエル 空爆4日連続
【カイロ=小泉大介】イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザへの大規模空爆を4日連続で行う一方、同地を実効支配するイスラム武装抵抗組織ハマスによるロケット弾攻撃も拡大し、武力の応酬は激化の一途をたどっています。イスラエル政府は地上戦に向けた予備役兵招集枠拡大も決定しました。
現地からの報道によると、イスラエル軍が16日夜から17日午前にかけて行った空爆では、ハマス「首相」府建物に加え、発電施設なども標的となり、大規模な停電が発生しているもようです。4日間の空爆回数は約700回におよび、38人のパレスチナ人が死亡、その中には子ども8人が含まれているとされます。
他方、ハマスによるイスラエル領へのロケット弾発射も約500回に達しました。16日には、政府庁舎や国会があるエルサレムの郊外にも到達し、空襲警報が鳴り響くなど、一時騒然とした状況となりました。
イスラエル政府は16日、主要閣僚による緊急閣議を開催し、予備役兵の招集枠をこれまでの3万人から7万5000人に引き上げることを決定。モシェ・ヤアロン首相代理は「ガザへの兵士投入の可能性を含め、あらゆる選択肢を準備している」と述べました。
イスラエル軍はすでに予備役兵1万6000人を招集しており、本格的な地上戦に突入する可能性が高まっています。
このような状況下、エジプトのカンディール首相が16日、パレスチナとの連帯を表明するためガザを訪問しました。ハマス最高幹部のハニヤ氏らと会談するとともに、空爆による負傷者を見舞い、「イスラエルの侵攻を停止させるために全力を尽くす」と表明しました。
エジプトは空爆に抗議して駐イスラエル大使を召還しており、イスラエルが地上戦を強行すれば、平和条約を結んでいる同国との関係悪化は決定的となります。
チュニジア政府も16日、イスラエルを厳しく非難するとともに、ガザに代表団を送ることを決定しました。