2012年11月17日(土)
日本共産党国会議員団総会での
志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が16日の国会議員団総会でおこなったあいさつは次のとおりです。
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「火事場泥棒」的な悪法強行に抗議する
本日、衆議院が解散され、12月4日公示、16日投開票で総選挙がたたかわれます。躍進への決意を込めてごあいさつを申し上げます。(拍手)
まず、解散のこの日になって、民主党、自民党、公明党の談合によって、国家公務員などの退職金の大幅削減法案、日豪ACSA(物品役務相互提供協定)にともなう自衛隊法改悪法案が強行されようとしています。国民のくらし、平和にかかわる、かくも重大な法案を、文字通り「火事場泥棒」的に強行しようという勢力に、強い憤りをもって抗議したいと思います。(「そうだ」の声、拍手)
吉井英勝さん――24年を超える活躍に感謝と敬意
今期をもって勇退される吉井英勝さんに、私は、心からの感謝と敬意の気持ちを申し上げたいと思います。(拍手)
吉井さんは衆参あわせて24年を超えて活躍され、あらゆる分野で重要な足跡を残されてきました。私も、中小企業の調査、あるいは原発の視察などを、ご一緒させていただいた、たくさんの思い出があります。とりわけ、原発の危険性について一貫して警鐘を鳴らし、追及を続けてこられたことは、この間の日本共産党の原発政策の発展の土台を築いたものであり、科学者でもある吉井さんならではの業績だと思います。今後とも元気で日本共産党の前進のために力を発揮していただきたいという思いを込めて、心からの感謝を重ねて申し上げたいと思います。(拍手)
国民の怒りによって追い詰められての解散――躍進に全力をあげよう
この解散についてどうとらえるか。
日本共産党は、「すみやかな解散・総選挙によって国民の審判を仰げ」ということを一貫して主張してきました。今回の解散を大きくとらえますと、国民の批判と怒りによって野田政権が追い詰められた結果であることは明らかであります。
最後の局面で問題になった「近いうちに解散」をめぐる議論も、これだけ国民の批判が広がったのは、増税談合の民自公3党のなかでの約束事ではあっても、もとをただせば公約違反の消費税増税を強行したところに問題の根本があったわけで、国民の審判を仰がずに、大増税法案を強行したこと自体が間違いだったのであります。
消費税、原発、TPP、米軍基地など、国政の根本問題で国民の利益に背く政治を続け、内閣支持率の下落にみられるように、国民の批判と怒りに追い詰められるなかで、解散に踏み切らざるを得なくなった。国民の世論とたたかい、日本共産党の奮闘によって解散を勝ち取ったということに確信をもって、総選挙での躍進にむけて全力をあげてがんばろうではありませんか。(拍手)
“政治の特権をなくす”というなら政党助成金こそ廃止せよ
野田首相が、解散の条件として持ち出した比例定数削減は、現行制度のなかで多様な民意を反映する唯一の部分を切り捨てるというものであり、「切られる」のは政治家ではなく、国民の民意そのものであります。
しかも一方で、民意を無視して消費税大増税を押し付け、他方で、民意を切り捨てる比例定数削減を主張するというのは、二重に許し難いことだとはっきりいっておきたいと思います。(「そうだ」の声、拍手)
だいたい、「自らの身を切る」とあれだけいいながら、政党助成金には指一本触れず、ぬくぬくと血税をもらい続けているのは、どういうわけか。日本共産党はこの制度が発足して以来17年間、この制度は憲法違反として、一貫して受け取りを拒否・返上してきましたが、その額を総計してみましたら、350億円以上になります。それだけの額をきっぱり拒否・返上しながら、草の根で国民のみなさんと結びついて、立派に財政を支えてきたのが日本共産党であります。“政治の特権をなくす”というのだったら、まず政党助成金こそ撤廃せよ、このことを強く求めたいと思います。(拍手)
各分野の政策提言と5中総決定――国民に訴える内容はすでに明瞭に
総選挙で、日本共産党が躍進する条件はあるでしょうか。
私たちは、全党の努力によって、三つの分野で選挙勝利の条件をつくりあげてきたことに確信をもって、このたたかいにのぞみたいと思います。
一つは政治的・政策的な条件です。
わが党はこの間、2月の「経済提言」、5月の「外交ビジョン」、9月の「尖閣問題の提言」、9月の「即時原発ゼロ提言」など、一連の政策提言を行ってきました。先日の衆議院予算委員会では、「雇用と産業」でも新しい問題を提起しました。
あらゆる分野で今日の閉塞(へいそく)状況を打開する政策提言を打ち出し、その実現のために行動してきた政党が、日本共産党であります。
そして、これらの提言を打ち出すことができたのは、日本共産党が、日本の前途を開く綱領を持つただ一つの政党であることを、強調したいと思います。自民党などは、「自分たちは綱領を持っている」ということを、民主党が綱領を持っていないこととの対比で自慢しているようですが、自民党の綱領というのは古色蒼然(そうぜん)とした保守主義を除けば何も中身のないものです。日本の未来を開く綱領を持つ政党は日本共産党だけです。
党綱領を土台に抜本的かつ現実的な解決の方途を明らかなものにしたのが、この間の一連の提言であり、どれもが反響と共感を広げています。
そして、私が強調したいのは、各分野の政策提言が、選挙の事前にこのように太く打ち出され、その政策に基づいて、国会論戦が取り組まれ、すでに幅広い団体・個人の方々との懇談や対話、共同が進められるなかで、選挙戦に入るというのは、これまでにない画期的なことではないかということであります。
すでに選挙戦で国民に訴えるべき基本的内容は、これらの諸政策提言、5中総決定で明らかにされています。それを分かりやすいビラにした宣伝物(「しんぶん赤旗」11・12月号外)も好評で、これを全戸配布規模で大増刷をするということを計画しています。訴えるべき内容、資材はすでにそろっています。
そして、総選挙の新しいキャッチコピーとしては、「提案し、行動する。日本共産党」というのをつくりました。そのコピーでの党押し出しポスターも作成中ですが、「提案し、行動する党」――日本共産党の姿を国民のなかに広げに広げ、躍進を必ずつかみとろうではありませんか。(拍手)
国民運動の歴史的高揚を、日本共産党の躍進に結実させる取り組みを
二つ目は、日本共産党があらゆる分野で国民運動の発展に力をつくし、そのなかでこれまでにない幅広い人々との協力、共同が広がっていることです。
たとえばTPP(環太平洋連携協定)問題では、JAや医師会など、従来の保守の方々との共同が目覚ましく広がっています。昨日も、JA全中主催の「TPP交渉参加断固阻止緊急全国集会」があり、私は連帯のあいさつをいたしました。私は、あいさつの最後に「いよいよ総選挙です。TPP賛成・推進の議員・政党は総退場してもらおうではありませんか」ということをいいましたら、満場の拍手がおこりました。このこともここでご報告しておきたいと思います。(拍手)
「原発ゼロの日本」をめざすたたかいでは、これまで政治に距離を置いていた人々、私たちとの接点がなかった広大な人々との結びつきが生まれ、日本共産党への期待や信頼が広がっています。オスプレイ配備反対など米軍基地問題についても、島ぐるみのたたかいが発展している沖縄をはじめ、全国各地で新たなたたかいが広がっています。
5中総決定では、運動組織・団体に対する「協力・共同」の申し入れを行うことを提起しましたが、その実践が開始され、JAに足を運ぶ、医師会に足を運ぶ、いろいろな諸団体に足を運びますと、どこでも温かい期待の声が返ってくるという状況があります。これまでともにたたかってきた運動組織・団体に、ともに要求を実現するという見地で、可能な形での協力・共同をお願いする取り組みを、さらに発展させようではありませんか。
国民の中に起こっている新しい政治を求めるたたかいの歴史的高揚を、日本共産党の躍進に結実させる取り組みに、知恵と力をつくす、開拓者のたたかいにおおいに取り組み、躍進を勝ち取りたい。この点でもがんばろうではありませんか。(拍手)
党づくりの取り組み――新たに迎えた2万人の同志とともにたたかおう
三つ目は、党づくりの取り組みです。
党の自力をつけるという点では、私たちの取り組みは率直に言って道半ばであり、それだけに選挙戦のなかでも、選挙戦にふさわしいやり方で党員も増やす、読者も増やす独自の努力を払いながら、選挙戦をたたかうことが大切です。
同時に、「党勢拡大大運動」を通じて約2万人という新しい同志を迎えて選挙をたたかうというのは画期的なことだと思います。2万人の新しい同志を迎え入れたことが、党にどれだけの新鮮な活力を吹き込んでいるかははかりしれないと考えます。
党の質的建設という点でも、2中総以来、「綱領・古典の連続教室」という新しい取り組みに挑戦し、綱領的・世界観的確信を高めるためのこれまでやったことのない事業にも取り組んできました。この取り組みが革命政党らしい党づくりに大きな力を与えていることも疑いのないことだと考えます。これも全党のみなさんの努力のたまものであります。
躍進の条件を生かし、党の底力を発揮しぬけば、「650万、議席倍増」は可能
三つの条件ということを申しました。
政治的・政策的な条件、国民運動との協力・共同という条件、党づくりの新たな前進という条件――2中総以来、全党が苦労して取り組んできた条件をすべて生かし、全党の力――すべての支部の党員の力を「底の底」まで引き出し、全党が後援会とともに燃えに燃えて総決起する状況をつくりだせば、5中総決定で掲げた「650万票、議席倍増」の目標の実現は可能です。このことに確信をもってがんばりぬこうではないかということを、心から訴えたいと思います。(拍手)
2中総以来、全党が取り組んできたさまざまな探求と努力、これを生かすべきときがやってきました。これから一日一日が日本の運命を分ける勝負の時になります。
「全支部、全党員が後援会員とともに立ち上がれば必ず勝てる」――このことを全党の確信にし、勇躍して歴史的選挙戦に立ち向かい、必ず「650万票、議席倍増」を果たし、たくさんの新しい仲間を迎え入れて、またこの場に集おうではありませんか。
国会議員団のみなさん、そして候補者となる私たちが、たたかいの先頭にたつ決意をともに固めましてごあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)