2012年11月17日(土)
民自公が強行の悪法
衆院解散の16日、民自公3党は談合によって悪法をまともな審議もせずに次々と成立させる暴走を続けました。
衆院「0増5減」
衆院小選挙区「0増5減」法案が16日の参院本会議で民主、自民、公明などの賛成で可決、成立しました。
日本共産党は、最高裁が違憲状態だとした「1人別枠方式」(各県に1議席ずつ別枠として割り当てる制度)は残し、格差が2倍を超える選挙区をなくす弥縫(びほう)策にすぎないと指摘。総選挙は現行の区割りで実施するため、違憲状態の解消にもつながらず、民意のゆがみをもたらしている小選挙区制を維持・固定化し、抜本改革を棚上げするものだとして反対。生活、社民党も反対しました。
衆院の選挙制度改革をめぐっては、野田佳彦首相が解散の条件として議員定数削減への協力を要求。自民党が協力を表明したのを受けて、15日に衆院で自民党提出の「0増5減」案と、民主党提出の衆院比例定数40削減・一部連用制(議席配分に傾斜を加える仕組み)導入案を可決し、衆院を通過させました。
しかし、参院では「0増5減」案だけが採決にかけられ、議員削減については民自公3党が来年の通常国会で結論を出すとの合意を交わしました。
日本共産党は、民意を無視して公約違反の消費税増税を押し付けながら、民意を反映させるツールである議員定数を減らすことは許されないと批判しています。
公務員退職手当
国家公務員退職手当法改悪案と地方公務員共済組合法等改悪案が16日、衆参両院で可決・成立しました。日本共産党、社民党、みんなの党を除く各党が賛成しました。
国家公務員の退職金を400万円以上削減するとともに、早期退職募集制度を導入。給付水準を一方的に引き下げる被用者年金一元化法に基づき、地方公務員の退職給付に「年金払い退職給付」を設ける内容です。
反対討論に立った日本共産党の塩川鉄也衆院議員、山下芳生参院議員は、「国家公務員の生活と退職後の保障を大きく脅かし、若者を含めた働きがいを失わせる」と批判。退職手当削減を通じて「公務員人件費2割削減」をすすめるものであると指摘しました。民間労働者の退職金引き下げにもつながり、「官民での労働条件悪化の悪循環にさらに拍車をかける」と批判しました。
参院「4増4減」
参院の一部の選挙区の定数を「4増4減」するだけで抜本改革を先送りする参院選挙制度法案が16日、民主、自民、公明などの賛成多数で参院本会議で可決されました。日本共産党、生活、社民などは反対しました。
日本共産党は、「4増4減」でも最大4・746倍もの「1票の格差」を温存するものであり、投票価値の平等を求める憲法の要請に応えるものではないと批判。現行の都道府県単位の選挙区を維持したままでは、違憲状態は解消できず、抜本改正が必要だとして反対しました。
改悪自衛隊法
日豪ACSA(物品役務相互提供協定)の国内法整備を主な内容とする改悪自衛隊法が15日成立しました。日本共産党と社民党が反対。民主、自民、公明、生活、みんな、維新の会などの各党が賛成しました。
衆院安保委員会では質疑なしで採決を強行しました。反対討論にたった日本共産党の赤嶺政賢議員は、「本日の委員会は昨日、突如提案された。解散・総選挙をめぐるどさくさにまぎれて押し通すことは許されない」と民自公3党に強く抗議しました。
赤嶺氏は同法改悪が、「深刻な財政赤字を抱え、同盟国に対し軍事分担の拡大を求めるアメリカの戦略にそったものだ」と強調しました。その上で、政府が南西諸島への自衛隊配備、上陸作戦を含む日米共同訓練の強化や日米ガイドラインの再改定まで進めようとしていることを挙げ、「こうした軍事対応の拡大は、地域の無用な軍事的緊張を高めるだけだ。断じて容認できない」と主張しました。