2012年11月16日(金)
首相「16日解散」宣言受け
所属政党 くるくる変転
会見で「選挙目当てだ」「野合で何が悪いか」
野田佳彦首相による「16日解散」宣言を受け15日、永田町では、政治家が政党を乗り換え、政党同士の離合集散の動きがかつてない様相を呈しています。
15日の衆院本会議での公債特例法案の採決では、日本維新の会の賛成討論には石関貴史議員が、みんなの党の反対討論には平智之議員が立ちましたが、いずれもついこの前まで民主党議員―。くるくると変転する政党状況を象徴しました。
民主過半数割れ
同日、民主党からは富岡芳忠、山崎誠、長尾敬、中川治、山田正彦各衆院議員が離党を表明。14日に離党表明した小沢鋭仁元環境相を含めると、与党過半数割れとなる6人に達しました。富岡氏はみんなの党に、長尾氏は自民党に入党するとしました。
山崎氏は自身の加入によって政党要件を満たした「みどりの風」に参加するとしました。「みどりの風」はもともと消費税増税に反対して民主党を離党した議員らによって結成された参院会派でしたが、山崎氏は消費税に賛成していました。
他方、民主党内で離党を考慮してきた議員からは、「突然の解散宣言で短期決戦になるため、離党や新党結成の余裕がなく、民主にとどまって選挙するしかない」という声も漏れます。
また社民党の阿部知子政審会長が離党を表明。民主党を離党する山田元農水相らと共に、「みどりの風」に加入することも視野に入れています。阿部氏は15日の記者会見で、「選挙目当てと言われれば選挙目当てだ」と述べました。
石原慎太郎前東京都知事らが13日に結成した太陽の党と河村たかし名古屋市長が率いる減税日本が同日、都内で会談し、合流する方向で合意しました。太陽の党は13日に結党したばかりです。
石原氏開き直り
減税日本と太陽の党には消費税増税や原発政策で違いがありますが、記者会見で石原氏は「これから議論していけばいい。アングルの違い」などと、まじめに説明しませんでした。石原氏は、13日の結党会見で「野合と批判されるが、野合で何が悪いか」などと開き直っていました。16日には石原氏と日本維新の会の橋下徹代表・大阪市長が会談を開くとしました。
民主党を離党する衆院議員
富岡芳忠〈比例北関東(1)〉 →みんなの党
小沢鋭仁〈山梨1区(6)〉 →日本維新の会
山崎 誠〈比例南関東(1)〉 →みどりの風
長尾 敬〈大阪14区(1)〉 →自民党
中川 治〈大阪18区(2)〉 →?
山田正彦〈長崎3区(5)) →?
(注)敬称略。〈 〉内は選挙区、( )数字で当選回数