2012年11月16日(金)
「0増5減」 小選挙区固定化・比例削減ねらう
必要なのは抜本改革
穀田議員 自民からも批判
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日本共産党の穀田恵二国対委員長は15日の衆院政治倫理・選挙制度特別委員会で、各党協議会では現行の小選挙区比例代表並立制について「4割の得票で6割の議席を占めるなど民意をゆがめており、民意を正確に反映する抜本改革こそ必要だ」との認識で民主党を除く全政党が共通していたはずだとただしました。
民主党の逢坂誠二議員は「民主党を除くすべての政党が主張していたかはつまびらかではない」とあいまいにしました。穀田氏は、比例80削減に固執し各党協議を打ち切った民主党を批判しました。
消費税大増税を国民に押し付けるための「身を切る改革」と称し、比例定数削減を主張する民主党に対し、穀田氏は「民意を反映させる選挙制度改革の議論をしているときに、民意を反映させるツールである議員を減らすなど、もってのほかだ」と批判しました。
穀田氏は、小選挙区「0増5減」と比例定数40削減によって、全議席に占める小選挙区定数の割合は現行の62・5%から67・8%に増加し、「単純小選挙区制にいっそう近づく」「民意の反映は徹底的に弱められる」と批判しました。
賛成した自民党の阿部俊子議員も、「0増5減」によっても違憲状態は「そのまま続く」と発言。日本の国会議員は世界的にみても「多くない」と述べ、法案をゴリ押しする道理のなさを示しました。
参院政治倫理・選挙制度特別委員会では、日本共産党の井上哲士議員が小選挙区制は「民意の集約」と称する二大政党制づくりと一体のものだと指摘。今日の政党支持率や多党化現象をみても、二大政党制は、もはや民意から乖離(かいり)しているとして、「多様化した民意を選挙制度で無理やり二大政党政治の枠内に押し込めることは民意に逆行する」と指摘しました。
国会議員の歳費2割削減案可決 衆院本会議
衆院本会議は15日、国会議員の歳費を2割削減する法案と常任委員長など国会役員手当を廃止する法案を賛成多数で可決しました。
本会議に先立つ議院運営委員会で日本共産党の佐々木憲昭議員は「今日の厳しい経済状況下における国民生活の実情に鑑み、議員歳費削減に賛成する」と表明。野田首相が解散の条件とした議員定数削減とリンクしているとして、「消費税増税のために身を切ると称して定数削減を求めたり、それが実現するまでの間、歳費をカットするという考え方にくみするものではない」と述べました。
常任委員長等の国会役員手当の廃止法案は、日本共産党、民主党、公明党の3党が共同提案。佐々木氏は「わが党が一貫して廃止をもとめてきた課題を実現するものだ」と賛成を表明しました。