2012年11月15日(木)
総選挙12月4日公示・16日投票
野田首相「16日解散」明言
国民の怒りに追い詰められる
野田佳彦首相は14日の党首討論で自民党の安倍晋三総裁に対し、衆院比例定数の削減を遅くとも来年の通常国会で必ずやり遂げるという確約を条件に、「16日にも解散してもいい」と表明しました。公約違反の消費税増税路線を民自公3党で推進することと一体に、民意を切り捨ての比例削減を条件に解散を方向づけるという民主主義破壊の暴論です。
安倍総裁は「私たちはすでに選挙公約で定数削減と選挙制度の改正を約束している。しっかりやっていくと約束する」と表明。その後の自民党の幹部会で首相に協力する方針を決定しました。公明党の山口那津男代表は「解散の後に定数削減もやる、選挙制度の改革もやる」と述べました。
野田首相は、自民・公明の双方に対し、公債特例法案の成立のうえ、「1票の格差」是正と定数削減を成立させることを解散の条件として提示。「最悪のケース、定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる。それまでの間は議員歳費を削減する」ことの確約を迫りました。
民主党の輿石東幹事長は党首討論終了後、野田首相の解散発言について、「これは総理の唯一最大の権限であり、そういう態勢を早くつくるということではないか」と発言。「(社会保障)国民会議のたち上げも、きちんと仕上がった形で整理されたところで信を問うという方が望ましい」と述べました。
藤村修官房長官は「党首討論で解散日程が合意できたかとの解釈か」との質問に、「明らかにそういうことだと受けとめている。野田首相はしっかりと『解散します』との言葉尻だった。首相の決意を表明したものだ」と述べました。
これに対し、民主党内からは「急ですね」(国対幹部)、「全く分からない」(衆院議員)など、突然の解散発言に驚きと戸惑いの反応が相次ぎました。国民新党の下地幹郎郵政担当相も「分からない。真意を問いたい」とし、「解散の詔書に署名するのか」との問いに対して、「わからない」と述べました。解散前に与党内が混乱する可能性もあります。
民自公3党の参院国対委員長は、国会内で会談し、公債特例法案を16日の参院本会議で採決し、成立させることで合意しました。