2012年11月10日(土)
富裕層増税分を教育に
カリフォルニア州 住民投票で可決
大学補助金削減は凍結へ
【ワシントン=山崎伸治】6日の米大統領・議会選挙と同時に行われたカリフォルニア州の住民投票で、富裕層の所得税率を上げ、その増収分を教育予算に充てるというブラウン知事(民主)の提案が賛成53・9%で可決されました。これにより、公立大学に対する補助金の削減も凍結される見通し。昨年来、学費値上げに反対してきた学生らは8日も学内でデモを繰り広げ、当局に対し、改めて値上げ中止を要求しました。
今回の提案は、(1)来年1月から州の売上税の税率を7・25%から7・5%に引き上げる(2)年収25万ドル(約1975万円)以上の高額所得者の所得税率を四つの所得階層ごとにそれぞれ引き上げ、10・9〜13・3%とする(3)同税率の引き上げは2012年1月にさかのぼって7年間実施する―と規定。増収分は89%が公立の小中高等学校、11%がコミュニティー・カレッジ(2年制の公立大学)に割り当てられます。
地元メディアによると、州財務省は公立学校向けの予算が今後4年間で、140億ドル(約1兆1060億円)増えるとの見通しを示しています。
ブラウン知事の提案は教員組合をはじめとする州内の労働組合が支持し、賛成を訴える運動を支えました。同知事は6日夜、支持者らに「多くの人は、増税に賛成するだろうかと疑問に思っていたようだが、ご覧の通りだ」と結果に満足を表明しました。