2012年11月9日(金)
流用予算 返却させよ
復興庁に災対連が申し入れ
災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は8日、野田佳彦首相と平野達男復興相に対し、復興予算の流用金をただちに返却させることと、流用を認めた復興基本法の改正を求める緊急申し入れを行いました。全国災対連の中山益則事務局長(全労連共闘部長)らが同日午前、東京都港区の復興庁を訪ね、担当者に申し入れ書を手渡しました。
中山事務局長は復興庁との交渉で、「復興予算は被災者の生活と生業の再建、被災地の震災復興以外に使わないこと。基本法と復興基本計画を見直して、自ら流用をただす姿勢を見せていただきたい」と要求。復興予算の財源について「大企業への増税は今年からの法人税減税の枠内で、しかも3年だけだ。結局は国民負担が大きい」と指摘し、被災地にまで負担を求める所得税・住民税の増税を引き下げ、大企業に応分の負担をと迫りました。
宮城県災対連の鈴木新代表(宮城県労連議長)は、被災地に置かれた復興庁の支所に要望を届けても「ほかに伝える」などと機能不全に陥っていると告発。被災者は仕事が見つからず貯蓄も尽きていると直接支援の必要性を強調し、「国民監視する自衛隊情報保全隊の器材を復興予算で買っている場合か」と批判しました。
復興庁の香山泰久参事官補佐は、流用の是正について「法や計画の見直しではなく、個々の事業ごとに必要性を見る」と述べるにとどまりました。