2012年11月6日(火)
労組の会社周辺宣伝は正当
東日本ライフ側 上告を不受理
最高裁認める
全日本建設交運一般労働組合(建交労)東日本ライフ輸送分会が会社と旧社長宅の周辺で街頭宣伝を行ったことに対し、旧経営者が不法行為だと主張し損害賠償裁判を起こした事件で、最高裁はこのほど、旧経営者の訴えを退ける上告不受理を決定しました。
近年、労働組合が会社周辺で行う宣伝活動を会社側が嫌悪し、裁判で宣伝差し止めや損害賠償を請求する事件が多発していました。今回の裁判で、宣伝が労働組合の正当な活動であると最高裁で認められ、決着がつきました。
この裁判では、昨年9月の仙台高裁判決で組合側が勝利しており、最高裁も今年10月12日に旧経営者の上告不受理を決定しました。東日本ライフ輸送分会は、現在の経営者と健全な労使関係を構築しつつあるとし、「遅すぎる裁判決定が労使関係を悪化させてしまうことはあり得る」と裁判の民主化・迅速化を求めています。
労働組合の街頭宣伝問題については、昨年5月、大阪地裁第1民事部が、建交労北港観光バス分会に対し会社周辺半径500メートルで宣伝することを禁止する仮処分決定を出し、大問題となりました。労働者や府民から批判が広がり、会社が一転して昨年12月、申し立てを取り下げて、労働組合の権利が守られました。
今年2月の牛丼チェーン「すき家」を経営するゼンショーによる首都圏青年ユニオンとの団体交渉拒否が断罪された東京地裁判決では、会社側が店舗前宣伝を団交拒否の理由にしていることに対して、「正当な組合活動の範囲を逸脱したものとまではいい難い」と指摘しています。