2012年11月5日(月)
“日米安保脅かす沖縄の怒り”
米兵の暴行事件を報道
NYタイムズ紙
【ワシントン=小林俊哉】米ニューヨーク・タイムズ紙(3日付)は、沖縄県読谷村で起きた米兵による住居侵入事件を報じ、別に県内で発生した米兵による集団性的暴行・致傷事件と合わせ、「沖縄の怒りが、米国との安保同盟を脅かすところまで高まるかもしれないことを、日本の政府当局者は恐れている」と伝えました。
同紙は、相次ぐ米兵による事件が「沖縄に憤激を呼び起こし、米国とその最も緊密なアジアの同盟国との関係を込み入ったものにしている」と指摘。また、すでに米軍基地に対する沖縄県民の反対は、海兵隊のオスプレイ配備に制約をもたらすまでに至っているとの状況も報じています。同紙は同日付の社説でも、米兵による集団性的暴行・致傷事件を取り上げ、「オスプレイの配備ですでに高まっていた緊張状態をさらに悪化させた」と指摘。軍事同盟の維持を県民の懸念よりも重視する日米両政府の姿勢にもかかわらず、沖縄県民は抗議の声を上げ続けてきたと紹介しました。
また、沖縄県が求める地位協定の見直しに、米国防総省は抵抗するだろうと指摘した上で、「米政府は、沖縄県民の正当な懸念に、より機敏に対応しなければならない」「日米両政府が、彼らの抗議を真剣に受け止めない限り、県民の怒りは和らぐことはない」と論じています。