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2012年11月4日(日)

かつて反対の民主党

生活保護基準引き下げ狙う

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 野田政権は、年末の予算編成に向け生活保護基準の引き下げを狙っています。民主党は、かつて自公政権が生活保護基準引き下げを試みた際には、強く反対していました。今では改悪を推進しています。

 野田政権は、来年度予算の概算要求基準(8月に閣議決定)に、社会保障費に切り込むことを掲げ「聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化を図る」と明記しています。

 民自公3党が強行した社会保障制度「改革推進」法でも、生活保護の生活扶助、医療扶助の給付水準の「適正化」をうたっています。

 厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の部会では現在、生活保護基準が適当かどうかの検証が進められています。検証は、全世帯のなかで所得の低い方から1割の低所得層の消費水準と生活保護の基準額を比較する方法を基本としています。

 これは、前回2007年の検証で自公政権が生活保護基準の引き下げを画策したのと同じです。07年の検証では、低い方から1割の低所得層の消費実態と比べて生活保護基準の方が「高め」になっているとして、保護基準を切り下げようとしました。

 しかし、国会で日本共産党はじめ民主党議員も引き下げの動きを厳しく批判し、国民的な反対で断念に追い込みました。

 民主党の蓮舫・元行政刷新相は、当時の厚労委員会(07年12月11日)で、全世帯の最下位1割の低所得世帯と生活保護基準を比較することを問題視。低所得世帯が生活保護世帯より「支出が低いなかで生活していることが問題だ」と述べ、「この問題を解決することなしに、ただ単にこの低所得者層よりも生活保護世帯の方が支出が高いからこれを引き下げるというのでは、貧困世帯、格差を拡大するだけにとどまらない」と批判。「憲法25条の(保障する健康で文化的な最低限度の)生活を送れる(ように)国が後支えするのかという抜本的な改革をするべきだ」と舛添要一厚労相(当時)に迫っていました。

 民主党は自公政権が強行した生活保護の母子加算の削減(08年末に全廃)にも強く反対。09年の総選挙では「生活保護制度の充実」(政策集=写真)を掲げ、生活保護基準については「健康で文化的な生活を維持するため、安易な引き下げは行いません」と述べていました。

 それが今では、生活保護基準の10%引き下げを要求する自民党に迎合して、「大変建設的なご提起、ありがとう」(野田佳彦首相、5月の衆院社会保障税特別委)と述べています。引き下げに反対した当時の主張は見る影もありません。


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