2012年11月4日(日)
新システムNO 保育充実を
東京で大集会
すべての子どもに充実した保育を求める大集会(よりよい保育を!実行委員会主催)が3日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれました。「手をつないで大きな風を巻き起こし、新システムを吹き飛ばそう」とのアピールを採択し、都内をパレードしました。
政府は消費税増税とセットで、子ども・子育て新システム関連法を成立させ、早ければ2015年4月から新制度をスタートさせようとしています。新システムは、公的保育制度を大本から変え、国や自治体の責任を後退させようとするもの。企業参入の促進で保育が利益追求の場となる危険性もあります。
大集会には、北海道から沖縄まで保育士や子どもを連れた保護者など3500人が参加。集会カラーの黄色を身に着け、太鼓やタンバリンなどを鳴らしながら、「保育所つくって」「子どもは宝」「新システム反対」と声をあげパレードしました。
「新システムNО!」と書かれた手作り斧(おの)を手に、おとなも子どもも金太郎に扮(ふん)したのは埼玉県秩父市、くわの実保育園です。父母の会会長(41)は「近くの山で思い切り体を動かす保育をしてもらっている。新システムで保育時間が細切れになったらできなくなる。子どもの成長にとって太陽や水や土は欠かせない」と話します。
ステージからは、東日本大震災被災県の保育の実情、大阪府泉佐野市のこども園構想反対のたたかい、保育所をつくる運動を始めた保護者のとりくみ、保育園不足で安心して働けない実態など、次々と発言がありました。
「赤ちゃんの急死を考える会」の須川邦洋さん(39)は、大阪府高槻市の認可外保育施設で1歳3カ月の子どもを亡くした体験を報告。「新システムは子どもの命を大切に考えているとは思えない。国や行政が命を守ってほしい」と訴えました。
全国保育団体連絡会の実方伸子事務局長は基調報告で▽国会請願署名を広げる▽国に緊急保育所整備計画の策定と財源確保を求める▽自治体から「現行保育制度の拡充」の意見書をあげる―などの行動を呼びかけました。