2012年11月3日(土)
解説
オスプレイ 本土飛行開始の通告
計画示さず広がる危険 「負担軽減」もごまかし
沖縄で日米合意違反の飛行訓練を繰り返す米海兵隊のMV22オスプレイが、本土での低空飛行訓練を今月から開始することが2日、明らかになりました。一方、低空飛行訓練のルートや飛行回数などの詳細については米側から一切明かされませんでした。
米軍がオスプレイ配備に伴い作成した「環境レビュー」では、高度約15〜150メートル以下での超低空飛行訓練や、市街地の真上に「飛行ポイント」が設定された低空飛行訓練ルートの計画が提示されるなど、日米合同委員会合意と矛盾する内容が含まれています。森本敏防衛相の説明は、7本の低空飛行訓練ルート下の自治体をはじめ、全国で高まる懸念や不安の声に到底応えるものではありません。
森本防衛相は全国知事会議後の会見(2日)で低空飛行訓練のほか、空中給油訓練も行うと明言し、危険性がさらに広がるのは必至です。輸送機であるオスプレイの護衛訓練としてFA18戦闘攻撃機なども一緒に飛ぶ可能性があります。
さらに防衛相は、沖縄の負担軽減のための訓練移転として第31海兵遠征部隊(31MEU)の一部として海外で訓練を行うと言及。「数カ月、数機のオスプレイが普天間基地からいなくなって、その分だけ負担が軽くなる」と説明しました。しかし、同様の海外訓練はこれまでも普天間基地配備の海兵隊ヘリで行われており、「負担軽減」はごまかしでしかありません。(池田晋)