2012年11月2日(金)
「維新」所属市長が不透明発注で会見
大阪・吹田 責任逃れに終始
大阪府吹田市が環境省の基金を使って発注した太陽光パネル工事で、井上哲也市長の後援会幹部が社長の電気工事会社に入札もせず約2250万円で発注した不透明な随意契約問題で、井上市長は1日、市役所で記者会見し、「最終的には私の責任」と言いつつも「知らなかった。職員がやった」などと責任逃れに終始しました。
同工事は、業者と単独随意契約を結んだにもかかわらず、環境省には「競争入札」と報告していました。
単独契約した電気工事会社の社長は、井上市長が市議だった25年以上前からの有力支援者で、後援会副会長を務めています。同社は1996〜2008年に井上氏が代表の政党支部などに計222万円寄付していました。
井上市長は市議、府議を経て昨年4月、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」公認で吹田市長に初当選。
さらに井上市長の私設秘書(47)が、同随意契約の受注会社の関連会社の取締役に就任し、報酬を得ていたことも発覚。非常勤役員でありながら府には会社に常駐させる「専任技術者」として届けており、建設業法違反の可能性も出ています。
私設秘書の問題にも「この会社ぼくはまったく関係ない。中身についてまったく知らない。本人と会社の関係で正さなければならないことがあれば直していく」「会社は辞めてもらう」と辞めれば問題ないとの認識を示しました。
井上市長は10月31日、「維新の会」に迷惑をかけるとの理由で松井一郎幹事長(府知事)に「離党」を申し入れたと語りました。
真相解明求める
塩見みゆき日本共産党吹田市議団長の話 国の「グリーンニューディール基金」を活用して、庁舎に太陽光パネルを設置する工事の発注をなぜ単独随意契約にしなければならなかったのか、その理由が不明確であり、市民への説明が不十分です。
井上市長は、「知らなかった」「職員がやったこと」と無責任ないいわけに終始しているけれども、知らなかったでは済まされない。市長自ら明らかにすることが必要です。市民が今回のことで抱いた市長に対する不信感は、こんなことでは拭われるものではありません。
私たちは、今回の不適切な契約の真相の徹底解明と公正な入札制度の確立に向け、努力するとともに、井上市長の責任を市民とともに追及していきたい。